田中 久雄 氏(写真:中島 正之)

 私がトップを務めた部門で、必ずやってきたことがある。それが「ゼロスクラッチ」。つまり、今までの業務をゼロから見直して、もっと良い方法を模索することだ。2011年に環境担当役員になったときも、環境部門にハッパをかけた。そこで決めた基本的なスタンスは、東芝を「エコリーディングカンパニー」にすることだった。

 環境対応でリーダー的な存在になるための指針として、4つの柱からなるグランドデザインを決めた。1つめは、製品、サービスで他社より環境性能に優れたものを提供すること。2つめは、高効率なモノ作りをして、使うエネルギーをできるだけ少なくすること。3つめが環境に関する法令順守に対して、高水準のマネジメントをすること。4つめが環境コミュニケーションの強化。社員や顧客、株主などに対して、環境に関する密なコミュニケーションを取るということだ。

50カ国以上の拠点を一丸に

 それまでの延長線上ではない取り組みとしては、例えば、最初の製品やサービスについては具体的な評価項目と数値目標を作った。これらをまとめて「第5次環境アクションプラン」として2012年6月に公表した。2014年は2015年の最終年度につなげる大切な年になる。

 製品やサービスについては、着実に成果を上げてきたと自負している。環境関連の賞も多くいただいた。主要な環境性能で業界トップを誇る製品を社内で認定し、「エクセレントECP」と称している。認定製品の売上高は2012年に6688億円で、全社売上高の約12%にまで達した。これを着実に広げていきたい。

 環境コミュニケーションでは、6月5日の環境の日をめどに、全世界の東芝の従業員20万人が一斉に参加できるようなイベントを考えている。50カ国以上にある拠点をネットでつなぎ、それぞれの環境活動を報告しながらバトンを渡していき、地球を1周するようなイメージだ。従業員のみならず、すべてのステークホルダーに対して、東芝グループを挙げて環境活動に取り組んでいる姿を見てもらいたい。