前例ない問題が続々

 鹿児島県は、全国の中で台風の上陸数が最も多い地域である。強風時でもパネルが飛ばされないようにする必要があった。パネルの設置角度を26度にすると、年間の発電量は最大になる。しかし、風洞実験をした結果、この角度で設置すると台風の影響を大きく受ける可能性があると分かった。さらに、太陽が傾く朝や夕方に隣のパネルに影ができて出力が低下することも判明した。実験で試行錯誤を重ね、大型の台風でも影響を受けずに高出力を維持できる20度を設置角度に決めた。

 建設予定地の北東約15kmに桜島がある。火山灰がパネルに降り積もることによる出力低下が懸念された。しかし、実際に火山灰が発電量にどの程度、影響するかの知見はどこにもない。そこで鹿児島県内にある工場や店舗などに設置した自社製パネルの年間発電量のデータを活用した。これらと気象庁が提供する風配図を組み合わせ、火山灰と発電量の関係を調べたところ、1年を通して風は南から北方向へ吹いており、該当地域は火山灰の影響をほとんど受けないことが分かった。

 念のため、火山灰がパネルに積もった場合の対策も施した。太陽光パネルを固定する型枠(モジュール)に隙間を作り、雨とともにこの隙間から火山灰を洗い流せるようにした。雨が降らずに発電量の低下が続く懸念があるため、人工的に水をまくための散水車も用意した。その際には、発電所近くに備えた井戸水を活用する。

 雷対策も従来とは違う規模で実施した。一般的な太陽光発電システムは、近くの建物などに落ちた雷が電線などを伝わってパネルを破壊する「誘導雷」への対策が中心となる。それに加えてメガソーラーの場合は、土地が広大なため、雷がパネルに直接落ちる「直撃雷」にも備える必要がある。そこで、高さ4m50cmの避雷針を施設内に1380本立てて、パネルへの直撃雷を防ぐ。

 京セラは、これらの経験を生かし、メガソーラー事業の提案から運用などをサービスとして提供していく考えだ。単なるパネルメーカーから脱却し、メガソーラー事業を手がける総合サービス事業者となることで、太陽光パネルメーカーとして生き残りを図る。今後メガソーラー事業を、FIT制度のない海外でも通用する事業にして、同社の収益の柱とするのが目標だ。

地域の自然環境に合わせて出力向上
■ 火山灰、台風、雷への対策