山本 正已 氏(写真提供:富士通)

 富士通のビジネスの中核はICT(情報通信技術)だ。社会のいろいろな課題に対して、これからはICTなくしては解決できない。私たちはそのくらいの思いでビジネスに取り組んでいる。

 現在の大きな課題であるエネルギー問題についても、ICTはエネルギーを効率的に集中して使う方法を提供できる。人の無駄な移動を減らしたり、社会を便利で効率的にしたりすることで、GHG(温室効果ガス)の削減にも大きく貢献している。

防災・減災はより重要に

 2013年は自然災害により、世界中で大きな被害が出た。地球温暖化を防ぐことだけではなく、防災・減災はこれからもっと重要となる。そこにICTは大きく貢献できる。例えば、東北大学と共同で津波シミュレーションの研究を始めている。スーパーコンピューターを使ったシミュレーションは精度が高い。津波がどのように到達するかを予測できるので、津波が来る前に的確な警報が出せるようになる。

 農業分野でのイノベーションにも取り組んでいる。農業分野にICTが入ることで効率や生産性が高まると考えている。山梨のワインファームではセンサーを活用した農業支援を行っている。ICTを使って詳細な温度データを収集し、良質なブドウが栽培できただけでなく、農薬散布の回数を減らすなど環境面やコスト面でも効果が上がっている。

 ICTが今後広がる分野はスマートシティ・エネルギー、車・交通、食料・流通、健康・医療、教育が有望だ。これらの分野でソーシャル・イノベーションを起こしていきたい。

 新たに策定した第7期環境行動計画(2013年4月~2016年3月)では、お客様や社会への貢献をさらに拡大することに重点を置き、社会全体の持続可能な成長のために富士通グループに何ができるかを考えた。

 グループの持つICT技術を駆使し、環境問題を軸とした人、食糧・水、雇用、都市化、農業の問題など社会の多様な課題解決に貢献していきたい。