聞き手/斎藤 正一

事業分野は「環境」から拡大、サステナビリティコンサルタントを名乗る。日本法人の設立以来、欧米企業のスタイルを日本企業に紹介してきた。

――イー・アール・エム(ERM)は国際的に有名な環境コンサルタント会社ですが、現在、どのような分野の案件が多いですか。

野間 達哉(のま・たつや)
イー・アール・エム日本 代表取締役社長/マネージングパートナー
米国大学院環境科学修士課程修了。認証検査機関を経て、1999年にERM入社、2008年、日本法人代表に就任
写真/中島 正之

野間達哉氏(以下、敬称略) 言い方は悪いかもしれませんが、環境と安全衛生の問題でしたら何でも扱っています。ERMのEはEnvironmentですが、最近はこの部分の仕事が減っていて、安全衛生や社会関連分野の仕事(下図参照)が増えています。事業の持続可能性に関わる仕事が増えていますから、サステナビリティコンサルタントと名乗るようになりました。

――ERM日本の特徴はありますか。

野間 日本法人は1999年の設立です。現在、海外に進出する日系企業のサポートと、外資系企業の日本での経営管理のサポートが主な仕事ですね。土壌とデューデリジェンス(環境リスクを確認するための調査)を中心とした2つの大きなチームがあります。

 土壌チームは、外資系企業を中心に日本工場の土壌汚染浄化や廃棄物関連の調査をしています。デューデリジェンスのチームは、海外に出ていく日系企業に対して様々なサービスをしています。

事業は持続可能性に関わる問題にシフト
出所:イー・アール・エム日本

――具体的には、どのような仕事をしていますか。

野間 例えば外資系企業の社内監査では、監査チームと一緒に工場の現場を見て回ります。私どもは日本の法律と企業の社内基準を理解したうえで同行しますので、そうした視点から助言をします。欧米企業は、世界中の工場や事業所を数年に一度回り、自社の基準に従ってコンプライアンスの問題がないかどうかをしっかりとみていますね。

 日系企業では、あるメーカーがインドネシアに進出するに当たって、社会問題まで踏み込んだ環境アセスメントを手伝ったことがあります。本来、インドネシアは事業の許認可を得るために環境アセスメントをすればよいのです。しかし、その企業は法律以上に厳しい「赤道原則」(環境と社会に配慮した融資基準)などの国際基準に則して、細かなアセスメントを実施し将来的に起こり得る問題を摘み取ろうとしていました。

コンサルタントが関わる分野は幅広い。デューデリジェンスチームによる危険物保管庫内の確認作業(左)と環境アセスメントチームによるアフリカでの環境社会配慮調査(右)