外薗 祐理子(日経エコロジー)

2013年12月、直接燃料に使えるメタンを生成する人工光合成システムを開発した。従来研究の方向性にとらわれず、自社の強みを生かして、後発ながら「世界初」を達成した。

 2013年12月、国内最大級の環境関連の展示会「エコプロダクツ2013」で、ひときわ注目を集めた装置がある。パナソニックが初めて公開した「人工光合成」の実験装置である。

 人工光合成とは、水とCO2を原料に、太陽光を利用して、燃料や化学原料といったエネルギーを生み出す技術のことだ。植物の光合成と同様の仕組みで、CO2を吸収し、そこから燃料を生み出すことから“究極の再生可能エネルギー”とも呼ばれる。

 同社は2012年7月に、変換効率が0.2%と世界最高水準で、香料や染料に使われる有機物、「ギ酸」を合成することには成功していた。変換効率とは、太陽光のエネルギーに対する生成されたギ酸などの燃焼エネルギーの割合を意味する。0.2%は、バイオエタノールの原料となる植物(雑草の一種)のスイッチグラスと同程度という。2013年発表した人工光合成システムは、0.04%と植物の5分の1程度だが、天然ガスの成分であるメタンを合成できる。直接、燃料として使える成分を合成したのは世界で初めてだ。

植物レベルの変換効率を実現
出所:パナソニック資料より日経エコロジー編集部作成