金子 文雄 氏(写真:中島 正之)

 大栄環境グループは、多種多様な廃棄物を可能な限りリサイクルし、環境に負荷をかけない処分方法を追求してきた。2014年はその実力が試される1年になる。

 2013年9月に、三重県伊賀市にある三重リサイクルセンターで、廃棄物処理と発電が同時にできる複合施設「エネルギープラザ」を竣工した。既存施設と合わせると三重リサイクルセンターの熱処理能力は国内最大級となった。

 最大の特徴は、廃棄物を処理する際の熱を限界まで活用する点にある。焼却の際の熱で蒸気タービンを回して発電し、事業所の使用電力の実に3分の2を賄う。さらに、焼却炉の熱を蓄熱タンクにためて、トラックで運搬する「トランスヒートコンテナシステム」も導入した。コンテナを小型化して、廃棄物を運搬する既存のトラックで運べるように改良し、地域の温泉・レジャー施設に供給している。

 こうした取り組みを通じて、2014年のエネルギープラザの熱回収率を39%に引き上げたい。実現すれば廃棄物の焼却施設としては日本一の効率となる見込みだ。

リサイクルを地域産業に

 もっとも廃棄物処理業は、自分たちの思いだけでできるものではない。地域の方々の理解や協力が不可欠だ。もともと当社は1979年に大阪府和泉市で、産業廃棄物の埋め立て処分場という最もハードルの高い事業からスタートした。地元では建設反対運動が巻き起こったが、根気強く住民の方々と対話し、皆さんを招いて事業の様子を見学してもらい、理解を得ることができた。

 その後も、地元のお祭りに社員総出で協力したり、事業所周辺の美化活動に取り組むなど、地域との顔の見える関係づくりを進めてきた。現在は、農業事業を立ち上げて地域に雇用を創出するなどさらに踏み込んだ取り組みをしている。

 廃棄物関連ビジネスでは、コンプライアンスが十分ではない事業者が一部に存在するのも事実だ。私たちは、手間を惜しまずに信頼のブランドを確立し、業界全体のイメージ改善につなげたい。