若い男性からの支持

 もう1社のP&Gは、2012年の60位から2014年に31位へジャンプアップした。男性によるランキングは25位、ビジネスパーソンでは17位と高く(9ページの表参照)、29歳以下では6位にランクインした。「会社勤務の若い男性」のブランドイメージ向上が、全体の順位を大きく押し上げたことが分かる。

 2012年から男性用かみそり「ジレット」のパッケージ素材を、石油由来の材料から竹やサトウキビなどの再生可能材料に代える試みを進めている。また、2013年4~8月に衣料用洗剤「アリエール」を全面リニューアルし、漂白剤なしで汚れを落とせる商品などを発表した。その1つが、洗濯機の時短コースで使える「アリエール スピードプラス」。短い洗濯時間で「男脂臭(男性特有の脂の臭い)を落とせる」ことを売りにし、節水節電をアピールする。

「原料から生産、販売、使用、廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷を低減する取り組みを進めてきた」と、P&Gジャパン広報渉外本部の岩原雅子サステナビリティ・チームリーダーは言う。衣料用洗剤のライフサイクルで負荷が大きいのは、使用時の水やエネルギーである。

 そこで浮かび上がったのが、洗濯機の時短コースの活用だった。通常コースの約半分の時間で済むが、汚れが落ちにくいという問題があった。そこで同社は、イオン成分の配合を工夫して洗浄力と抗菌脱臭力を両立させる技術を開発し、時短コースでも汚れと男脂臭を落とせる製品を打ち出した。これが「スピードプラス」である。従来の衣料用洗濯剤を使用する場合に比べて1カ月で平均200ℓを節水できるという。

P&Gは、洗濯機の時短コースで洗える衣料用洗剤を発売。汚れや男性特有の臭いを除去し、節水節電もできることをうたい、若い男性の関心を引いた

 こうした個々の環境配慮商品の発表と同時に、ライフサイクルでの環境負荷低減の企業姿勢を発信したことが、ランクアップに貢献したとみられる。P&Gは2013年4月に世界の45施設で埋め立て廃棄物をゼロにし、国内でも化粧品を生産する滋賀工場でゼロを達成した。通常なら公開しない製造ラインを産廃業者に見てもらい、その提案を受けて製造工程を改革することで実現した。この取り組みへの想いを奥山真司社長は2013年から積極的にメディアを使って発信した。

 大和総研調査本部の河口真理子・主席研究員は、「人々の興味は、商品のエコから、会社全体のエコの姿勢に移っている」と話す。

 ダイキンは空気と向き合う姿勢を、P&Gはライフサイクルでの環境負荷低減を、分かりやすく発信してきた。会社の姿勢や目指す方向性をしっかり伝えることが、ブランドイメージ向上の鍵になる。