聞き手/谷口 徹也(日経BP社ビジネス局長補佐(日経エコロジー前編集長))

創業100周年となる2017年に向けて、新たに「グローバル環境ビジョン」を発表。「水資源の保全」を加えた6つのテーマで社会課題の解決に取り組む。

――2014年6月、新たに「TOTOグローバル環境ビジョン」を発表しました。

喜多村 円(きたむら・まどか)
TOTO代表取締役社長
1957年福岡県生まれ。81年長崎大学経済学部卒業、東陶機器(現TOTO)入社。2006年執行役員経営企画部長、 2008年浴室事業部長、2011年取締役常務執行役員、2013年専務執行役員、2014年4月から現職
写真/尾関 裕士

喜多村円氏(以下、敬称略) TOTOは、もともと水回りの生活に密着した製品を手掛けています。企業の生い立ちからすると環境に配慮した経営をするのは当然です。日本で生活する我々は十分に水を使えますが、海外に行けば、水不足に直面することは珍しくありません。

 何しろ地球上にある水のうち、淡水は3%しかなく、その7割が北極と南極の氷で固定されている。つまり生活に使える水は全体の1%にも満たないのです。地球上の人口が増えているなか、この水をいかに有効に使うか。そこでTOTOが貢献できることはいっぱいあります。衛生陶器の節水型にしたり、汚れが付きにくくしたりすることによって水の使用量はだいぶ減らせる。つまり、商品そのもの、本業で環境に貢献できるのです。

ストレートに「水」で貢献を打ち出す

 2010年に始めた環境への取り組み「TOTOグリーンチャレンジ」は、その貢献をCO2排出量の削減に換算する形でやってきました。一方、今回のグローバル環境ビジョンは、TOTOらしく、ストレートに「水を大切にしよう」と目標値を打ち出したところが特徴です。

 工場や事業所など、自社内で使う水の削減も大切ですが、メーカーはやはり商品です。TOTOのユーザーが普通に暮らしながら、意識せず節水できるのが理想です。1人が使う水の量は多くありませんが、何万人、何億人の方に使っていただければ、大きな効果になる。

 それだけではありません。水の使用量が増えるということは、自然界の水を集めて、ためて、浄化する社会インフラが必要になるということ。節水ができる商品を提供することは、社会的なストレスの緩和にも役立ちます。まさにTOTOの使命だと思います。

――水以外の部分では、グリーンチャレンジからどう変わるのでしょうか。

喜多村 今後の活動内容が大きく変わるわけではありません。引き続き、ゼロエミッションには取り組むし、CO2排出量を削減したクリーンでエコな工場を目指します。従業員による社会ボランティア活動も拡大し、NPO(非営利団体)をはじめとする市民活動を支援する水環境基金も続けます。

左は「TOTO水環境基金」で支援する環境NPOによる白子川(東京都)の清掃活動。右は中国南京での植樹活動