富岡 修(日経エコロジー)

反対住民を説得して建設した処分場を「裏切れば明日はない」との危機感で徹底管理する。周辺住民と信頼を築いた実績を重ねブランドを構築、攻めの投資で勝負に出る。

 大阪府和泉市の山合いにある「和泉リサイクル環境公園」は、観光地ではないにもかかわらず、年間約35万人が訪れる。併設するグラウンドは、週末になるとサッカーやゲートボールなど地域住民の予約で埋まるという人気ぶりだ。

 同じく週末、公園の駐車場の一角を利用して、近隣農家の協力で新鮮な野菜や果物が販売されている。「協力してくれている農家の方の中には、1980年、私たちが初めてこの地に産業廃棄物の最終処分場を建設しようとした時に猛反対した方もいる。そうした方が最終処分場の跡地に作った公園を利用していることは感慨深い」と大栄環境ホールディングス(神戸市)の金子文雄社長は、当時を振り返る。この地にあった最終処分場は80年に開設、面積7万m2の敷地に120万tの廃棄物を埋め立て、88年に使命を終えた。

 大栄環境ホールディングスは、大栄環境(神戸市)および三重中央開発(三重県伊賀市)を中核とした、主に関西を地盤とする産廃処理会社だ。DOWAエコシステム(東京・千代田区)など大手資本に属さない産廃処理専業の会社としては国内トップクラスに位置する。業績は好調で、2013年度の売上高は399億円、経常利益は45.8億円、経常利益率は11.5%と高い。

 専業大手の産廃処理会社といえば、名古屋を中心に全国に拠点を持つダイセキや関東地盤のタケエイなどがある。両社の2013年度の業績は、ダイセキが売上高421億円、経常利益74億円(経常利益率17.6%)、タケエイは同249億円、同30.7億円(同利益率12.3%)である。2社と比較すると、大栄環境の経常利益率はわずかに低いが、その理由は巨額の設備投資にある。

 同社は、110億円を投じて三重リサイクルセンター内に最新の大型焼却施設「エネルギープラザ」を竣工し、2013年11月から本格稼働している。投資はこれだけにとどまらない。「今後5年間で280億円の設備投資をする」(金子社長)予定だ。売上高約400億円の企業が、なぜこの規模の投資を続けるのか。

5年後に売上高500億円、経常利益50億円を目指す

 「リサイクル事業の強化はもちろんだが、当社の最大の強みは最終処分場。今後3年以内に1200万m3の最終処分場を作り、20年分の産廃を受け入れられる体制を整える。循環型社会の実現に向けて事業基盤を盤石にしたい」と金子社長は話す。