石田 建一 氏(写真:山田 哲也)

 2014年11月、積水ハウスは2014年度を初年度とした3カ年の中期経営計画を発表した。国内の住宅関連事業を改めて成長のドライバーと位置付けて事業戦略を策定し、2016年度の決算で売上高2兆200億円、純利益1030億円を目指す。

 その実現に向けてCSV経営を一層推進する。地球温暖化やエネルギーなどの環境問題だけでなく、少子高齢化など日本の社会課題の解決にも積極的に取り組みたい。いつの時代でも、住宅は人々の暮らしの中心にある。住宅を変えることを通じて、社会課題の解決と利益成長を両立できるはずだ。

 事業戦略を示すキーワードは「環境」「ストック」「高齢化社会」だ。

 環境では、2013年4月に発売した自家発電や省エネルギーを推進し、住宅内のエネルギー消費を正味ゼロにする「ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」を一層普及させる。当社の新築戸建におけるZEHの購入割合は2013年度実績は48%。これを2014年度は65%、15年度は65%、16年度には70%まで引き上げたい。

220万戸のストックを生かす

 過去に販売した220万戸のストック(資産)があることが、当社の最大の強みだ。日本に長く住める家がないと言われるが、当社の住宅は構造上の問題はなく、メンテナンスを続ければ100年以上住むことが可能だろう。今までも良質な住宅を適正な資産価値で維持できるよう「スムストック」という不動産仲介事業を展開してきたが、改めて220万戸の住宅と顧客ネットワークというストックの活用を強く意識していきたい。

 リフォーム事業は、大規模リノベーションを強化する。人口減少や少子高齢化が進むなか、家族の在り方は変わり、住まい方も大きく変わる。こうした大きな変化に対応するには、大規模な住宅の用途変更、街の再開発まで含めたリノベーションが求められる。社会問題化しつつある空き家向けのサービスも開始する。

 里山をイメージする庭を戸建て商品に導入して樹木を再生するなど、当社の事業規模だからできる社会課題の解決策がある。2015年1月期決算は2期連続で過去最高益を更新する見込みだ。今後も社会課題の解決と更なる業績拡大を目指したい。