田中 良治 氏(写真:北山 宏一)

 我々はKAITEKI経営という概念を打ち出している。これは資本の効率化を重視する経営(Management of Economics)、イノベーション創出を追求する経営(Management of Technology)、サステナビリティの向上を目指す経営(Management of Sustainability=MOS)という同一線上にない3つの軸を一体的に実践し、企業価値を高めていく独自の経営手法だ。

 3つの軸に時間軸を加えて、4次元で経営を見ている。これらの進捗状況を毎年、統合報告書にまとめている。

 サステナビリティや健康、快適に合致するかを企業活動の判断基準としている。例えば2014年4月に生命科学インスティテュートを設立した。社内のヘルスケア関連事業を取り出して、5番目の事業会社として1つの会社を作った。これは中間持ち株会社なので買収など柔軟な経営がしやすく、ヘルスケアを重視する社内外への宣言でもある。

 社外の方とも「一緒にKAITEKIを実現していきましょう」と話している。グリーン調達などサプライヤーの方々と一緒に取り組まなければならないことがたくさんあるからだ。

 2014年11月に取引先にKAITEKI経営の説明会を開催し、266社に集まってもらった。強制するわけにはいかないので、「KAITEKI経営の考え方などを共有させていただきたい」というお願いをした。ガイドラインやお願い事項などを書面にまとめて渡した。

外国人にも共有してほしい

 2015年は社内外にKAITEKI経営の価値観をさらにアピールする年になる。社内では海外のグループ会社に概念を伝えていく。日本人だけでなく、外国人にも共有してもらいたい。

 社外では製品の売り先の方々にもKAITEKI経営を伝えていくことを検討したい。同業他社である化学会社とも取引があるので、化学会社にもKAITEKIの概念の共有をお願いすることを検討している。

 MOSを指標化し、2015年度の目標に対する実績で点数を付けている。指標化を始めてから4年経ったので、さらに改善し信頼性を高めていきたい。