五十嵐 一浩 氏(写真:中島 正之)

 2015年は第7期環境行動計画の最終年度になる。今期の大きな特徴は、東日本大震災を受けてお客様や社会への貢献拡大を大きなテーマとしたことだ。例えばお客様が当社のICT(情報通信技術)を利用することで社会の温室効果ガス(GHG)をどれだけ削減しているかを定量的に「見える化」し、削減量の拡大を図っていきたい。

 これまでの具体例としては、生命保険会社の営業職員が利用しているタブレット端末の導入事例がある。この分野で当社は7割以上のシェアがあり、書類だけでなく人の移動量なども削減している。2013年度は1087万tのGHG削減効果があったと試算している。

 とはいえ、この例は社会に貢献したという意味では分かりやすいとは言えないだろう。2015年は、よりストレートに社会に貢献する事例を増やしたい。

Akisaiで農業を支援

 農業分野では、2012年からICTを活用した農業支援サービス「Akisai(秋彩)」を始めている。このサービスを利用すると、きめ細かい生産管理や経営管理が可能になる。2014年から「獺祭」で有名な旭酒造(山口県岩国市)と協力している。栽培が難しい酒米「山田錦」の生育情報を栽培農家が記録し、旭酒造も情報を共有することで品質や収量の向上に活用できないかと研究している。

 このほかインドネシアの高速道路管理会社向けに位置情報を活用したクラウドサービスの提供を始めた。交通渋滞の緩和で貢献できないかと考えている。シンガポールでもビッグデータを活用して最適な交通網の整備など都市開発全般について協同研究を進めている。2014年は社会課題の解決につながる案件に種をまいてきた。2015年はこれらを具体化していく年になると思う。

 もちろん当社の事業活動の環境負荷を削減する取り組みにも力を入れていく。データセンターのエネルギー消費量の拡大が今後、世界的な課題になる。特に中国や米国で急増するだろう。この分野でも光ファイバーでデータセンターの温度を可視化してきめ細かな管理をするなど、当社の技術を使って省エネに取り組んでいきたい。