金子 文雄 氏(写真:山田 哲也)

 2015年は大栄環境が2014年度から取り組んでいる第6次中期経営計画を軌道に乗せる大切な年となる。

 計画で最も重要視しているのが事業の永続性だ。理由は、自社が手がける中間処理やリサイクル施設、最終処分場を長年にわたって運営し、産廃処理の責任を全うすることにある。一般廃棄物の処理の受託や小型家電リサイクルなど自治体との取り組みが増えていることもある。

 現在、関西一円と三重県に14カ所ある事業拠点のうち、13カ所で市町村の委託事業を行っている。関係する市町村の数は200を超え、地域社会のインフラを担いつつある。自治体の委託事業は数十年以上続くものも多く、経営が厳しくなったからといって撤退はできない。事業の永続性を訴えるのはそのためだ。

 最終処分場建設のための投資は、永続性を高めるために欠かせない。当社は、今後3年間で約1200万m3の最終処分場を確保する予定でいる。2015年2月、三重県で完成するのを皮切りに、関西一円で順次建設する。今後20年以上の埋め立てに困らない最終処分量を確保できる。

 処分場建設が基盤を固める投資なら、リサイクル事業の強化は攻めの投資と言えるだろう。小型家電や食品リサイクルなどに注力し、高度な資源循環社会の実現を目指す。

 小型家電のリサイクル事業は、環境省の実証事業で10市4町の自治体と取り組み始め、現在は20市町村まで拡大した。今の回収量では収集や選別費用を考慮すると利益を出すのは難しいが、回収量が増えれば採算が取れるだろう。先駆けて得たノウハウを付き合いのある自治体に提案して事業拡大を図りたい。

食品リサイクルでイオンと連携

 食品リサイクルは、国が推進するリサイクルループをイオングループと形成した。イオン店舗の食品残さを回収し、当社施設で堆肥化する。それをイオン子会社のイオンアグリが運営する畑で育て、収穫した野菜を店舗に並べる。食品残さの回収は2014年12月から始めた。早ければ、我々の施設で作った堆肥で栽培した野菜が春先に並ぶかもしれない。

 2015年は人材開発も力を入れる。事業拠点の運営を担う上級管理職や次世代を担う若手リーダーの育成はもちろん、産廃業界では珍しい女性登用や活躍も積極的に推進したい。