投資家はどう見ているか

 では、投資家は実際にSDGsをどのように見ているのか。最新の動きとしては、2017年1月30日に国連環境計画がパリで公表した「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則」がある。SDGs達成に向けて経済、環境、社会の持続可能性を考慮した金融活動を促進することに世界有数の金融機関19社が署名した。金融分野でSDGsの達成に言及した世界で初めての原則である。

 また、英国で責任投資を推進するNGO、ShareActionが2016年3月に発表した機関投資家向け調査(回答:52機関、総運用資産額:5.9兆ドル)では、回答機関の75%がSDGsへの対応が機関投資家としてのレピュテーション(評判)の向上につながると考えており、その62%がSDGsに沿った投資活動によってより大きなリターンを得られると期待しているという結果を得た。投資家が特に重要視しているSDGsの目標については下の表の通りである(2位は同点)。

■ 投資家が重視するSDGsの目標
出所:ShareAction調査報告書に基づき日本総合研究所作成

 加えて、2016年4月には株価指数開発大手のMSCI社が、社会課題や環境課題に対処する製品・サービスを提供する企業によるMSCI ACWI Sustainable Impact Indexを発表した。この指数の対象企業の評価はSDGsにひも付く項目で行われており、企業のSDGsへの取り組みに今後投資家の注目も高まっていくだろう。

 個別投資家の取り組みについても取り上げたい。例えばオランダの年金PGGM(運用資産:約890億ユーロ)は、SDGsのうち、「目標3:健康と福祉」「目標6:水と衛生」「目標13:気候変動対策」を含む、6つの目標を重視した投資活動を実施している。投資効果を測るための主要指標を設定し、顧客への情報提供に活用しているという。

 また世界有数のSRI評価指標、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスを提供するスイスのRobekoSAM社(運用資産:約107億ドル)では、同社が有する企業の非財務情報の100程度の評価指標において、SDGsの各目標への貢献度を確認済みである。今後はSDGsに沿ったフレームワークを既存の評価指標に統合し、社内レビューや投資家への報告の際に活用していくことも検討しているという。