脱自動車メーカーへ

 電動化だけではない。自動運転やライドシェアなどクルマのあり方が根底から覆ろうとしている。豊田社長は、「100年に一度といわれる大変革の時代に直面している。もはやこれまでの延長線上に未来はない。自分たちの知恵と技術で未来を創造していかなければならない」と危機感をあらわにする。

 大変革の時代を乗り越えるために、異業種とも積極的に手を組む。半導体大手の米エヌビディアと協業する他、AI(人工知能)技術開発のプリファード・ネットワークス(東京都千代田区)に出資している。

 2018年1月、米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2018」では、次世代EVのコンセプト車「e-Palette Concept」を披露した。単なる移動手段としてだけではなく、広い室内空間の内装を用途に応じて自在に変え、ライドシェアやホテル、店舗などとして利用できる。2020年の東京五輪では実際に走る姿を見られそうだ。

2018年1月、米国の家電見本市「CES 2018」で披露した次世代EVのコンセプト車「e-Pallete Concept」。内装を変えることによって、移動式のピザ屋や靴屋など様々なモビリティサービスを提供できる。2020年の東京五輪には実際に走る姿を見られるかもしれない
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 トヨタはクルマを制御するためのインタフェースを社外に開示し、自動運転キットやソフトを開発できるようにする。米アマゾン・ドット・コムやピザ・ハット、ウーバー・テクノロジーズなどと提携し、実験車両を利用して実証事業を進める。トヨタが目指すのは、クルマの製造・販売にとどまらないモビリティサービスのプラットフォームの提供だ。

 電動化や自動運転などの技術開発はスピードが勝負になる。トヨタにとって、他社との協業を広げながら、迅速な意思決定ができるかどうかがチャレンジになるだろう。