海外の目線に合わせる

 「天然水の森」活動は開始から13年で、全国13都道府県、18カ所で展開。整備した森林の総面積は約8000haに達した。これによって育まれる水の量は、既にサントリーの工場で汲み上げる地下水の総量を大きく超えている。2020年には1万2000haの森を整備し、サントリーが使う水の量の2倍に相当する水を確保するのが目標だ。

■ 「使う水の量の2倍」の水源を確保
使う水の2倍に相当する水源を確保するため1万2000haの森を整備するのが目標だ
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 今後は、海外での活動に力を入れる。人口が減っていく日本では大きな成長を見込めないのは食品メーカーも同じ。成長し続けるためには海外事業の拡大が欠かせない。サントリーは2009年に仏オランジーナ・シュウェップスを約3000億円で、2014年には米ビーム(現ビームサントリー)を約1兆6500億円で買収するなどM&A(合併・買収)を積極的に展開している。

■ M&Aを進め増収増益を達成

 「水は世界的な問題。水の持続可能性に真正面から取り組むブランドであることを世界に広めていく」(内貴部長)

今後は、米国にあるビームサントリーの工場など、海外拠点での活動に力を入れる

 2014年からは、環境課題について議論するビームサントリーの「環境委員会」に日本のメンバーも参加し、日米が連携する体制になった。

 海外に出ていく社員が増えたとき、森林整備を体験していることが大きな意味を持つ。原料を質と量ともに安定的に調達することがいかに大切であり、大変なことであるかが分かるからだ。欧米の企業の多くは原料の調達先など川上の企業にも目を配り、安定調達ができるよう支援するケースもある。例えば英蘭ユニリーバは、原料を栽培する農家を技術や資金面で支援している。

 海外の人たちと同じ目線で語れる社員を多く作ることは、サントリーがグローバル企業として戦っていく上で強力な武器になるに違いない。