環境の負荷と価値を見える化

 新ビジョンを見ていこう。「製品」「工場」「社員」「経営」の4分野に網をかける10の行動計画を定めた。

 製品で「究極の燃費性能」を追求し、工場では「ミニマム(最小限)CO2モノづくり」を実現。社員が「低炭素なくらし・移動」を実践することによって、エネルギーの消費やCO2排出量を減らす。

 減らすのはCO2だけではない。製品に含まれる環境負荷物質の最小化の他、工場における資源投入量や廃棄物の削減、リサイクル率の向上、社員の環境意識や知識、スキルの向上により環境負荷を減らしていく。

 デンソー独自開発の藻類バイオ燃料など「新グリーンテクノロジー」の事業規模も2倍にする。他にも、事業所と周辺の緑化や、社員が地域の環境教育に参加するなど、地域社会と連携した環境活動の拡大で社員を啓発する。

 こうした行動計画の推進を、経営による「環境価値創造のマネジメント」で下支えする。事業で生じる環境負荷と環境価値をライフサイクルの視点で見える化する手法を今後導入して、取り組みの推進に役立てる。

 デンソーは業界団体である日本自動車部品工業会と協力して、2つの定量化手法を構築している。1つは、製品のライフサイクルCO2排出量の評価手法だ。これは製品の環境負荷を把握し、減らしていくのに使う。もう1つは「削減貢献量」の評価手法である。部品の省エネ性能の向上により、自動車の走行時に排出するCO2がどれだけ減るかを把握する。「日々の仕事が環境への負荷よりも、価値を生み出していることを定量的に把握できれば、社員のやる気と誇りを引き出せる」(棚橋部長)という考えだ。