得意の技術で業界を主導

■ 事業別の売上高比率
パワートレーン:エンジン制御、ハイブリッド車の駆動など 熱:車載空調装置やラジエーターなどの冷却装置 情報安全:カーナビゲーションなどITS(高度交通システム)

 行動計画のうち、柱となる「究極の燃費性能」「ミニマムCO2モノづくり」の取り組みを解説しよう。

 燃費性能の引き上げは、自動車メーカーの競争軸の1つ。デンソーはクルマの燃費性能を高める鍵となる技術を得意としており、同社の主要製品に搭載している。例えばエンジン制御やハイブリッド車・電気自動車の駆動などのパワートレーン関連製品、車載空調やラジエーターなどの熱関連製品で、これらは同社売り上げの7割近くに及ぶ。技術を磨くことで世界の新車からのCO2排出量半減を目指す。

 実現のため、3分野の技術開発に注力する。1つが、燃料を燃やし切る技術。そして燃料から取り出したエネルギーを再利用(回生)し切る技術や、排出ガスの浄化に熱を効率的に使う技術だ。

 クルマに投入した燃料を燃やし尽くす、理想的な燃焼を実現するために独自技術を磨く。エンジンに吹き込む燃料と空気の混合比の均一化や、燃料粒子の微粒化、燃焼器内部で一気に燃焼を起こす多点同時着火と呼ぶ技術がある。

 燃料のエネルギーのうち、走行に使われなかったエネルギーも使い尽くす。回生ブレーキで電気に変える他、従来なら大気に放出される高温の熱も電気に変えたり、蓄熱装置にためたりして回生し切る。

 ためた熱は排出ガスの浄化に使う。エンジンをかけたばかりのクルマは浄化に使う触媒の温度が低く活性化していないため、大気汚染物質が排出される。デンソーはためた熱で触媒を活性化して、浄化を促す。

■ 環境分野の技術開発見通し
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 宮木副社長は、「いずれも実用化には至っていない。量産化や大衆車への搭載を見込めるレベルと比べると、燃焼技術の開発はかなり進んでいる。浄化技術は実験室レベルでは成功しており、回生技術は検討の段階でこれからの開発が鍵となる」と話す。新車のCO2半減に貢献する技術を世に送り出すため、今後の挑戦を行動計画にあえて織り込んだ。