【解説】

 トヨタ自動車が7年ぶりに首位を奪還──。日経BP環境経営フォーラムの「環境ブランド調査2016」は、過去5年間首位を守ってきたサントリーを抜いてトヨタがついに1位に躍り出た。サントリーは環境ブランド指数を2015年の99から99.3へと伸ばしたが、トヨタがそれを上回った。97から102.6と5.6ポイント伸ばし、首位を奪った。

 トヨタは環境ブランド指数を構成する4つの指標「環境情報接触度」「環境コミュニケーション」「環境イメージ」「環境評価」のいずれでも1位を独占し、圧倒的な強さをみせた。

左から、順位、企業ブランド、偏差値を示す

 2000年から実施している環境ブランド調査を振り返ると、トヨタはハイブリッド車「プリウス」の商品イメージなどで2000年から10年間首位を独走していたが、2010年に家電自らが節電する機能を備える「エコナビ」を打ち出したパナソニックに首位を奪われた。翌年には「水と生きる」というコーポレート・メッセージで強力なブランドを築いたサントリーが1位に飛び出し、以来5年間、首位の座を守ってきた。そして2016年、トヨタが久しぶりに1位に返り咲いた。

 その背景には、量産車としては世界初の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」やハイブリッド車4代目「プリウス」の発売に加え、2015年10月に同社が打ち出した長期目標「トヨタ環境チャレンジ2050」で、持続可能な社会の実現のために何をするかを明確に打ち出したことがあるだろう。

 トヨタは2016年、女性の支持も集めた。2015年まで女性票ではトヨタがサントリーに大きく水をあけられていたが、2016年はサントリーと並び首位に立った。年代別では評価が分かれた。40代と50代はトヨタが圧倒的に首位だが、29歳以下、30代、60歳以上ではサントリーが2位以下を大きく引き離して首位になり、若年層と高齢者の支持を得ている。

 2016年のもう1つの特徴はBtoBビジネスを主体とする企業が健闘したこと。環境ブランド指数の伸びが大きな企業に豊田自動織機や積水化学工業がある。2030年を見据えたパリ協定やSDGs(持続可能な開発目標)で世界の関心が地球の未来に向くなか、消費者も投資家も企業の「環境・社会・ガバナンス」(ESG)に関心を持つようになっている。ESGに取り組むBtoB主体の企業にも注目が集まったのではないだろうか。

 CSRランキングはトヨタが1位、サントリーが2位で、2015年と同じだった。会計不祥事や排ガス規制問題、廃棄物横流しなどガバナンスの不祥事が続く昨今、「品質の良い、安心・安全な商品を作っている」という項目に消費者の関心が集まった。