【解説】

経営幹部が簡潔にプレゼン

 トヨタが2015年より大きくポイントを伸ばしたのが「環境イメージ」の指標だ。111から132に21ポイント上昇した。特に「地球温暖化防止」「有害物質の使用削減」のイメージで高評価を得た。調査結果では、ハイブリッド車や燃料電池車などエコカー開発で業界をリードしてきたことを評価する声が並んだ。

 2015年12月に発売した4代目プリウスは燃費を1ℓ当たり40.8kmと3代目より2割向上させ、デザインや走行性能を改良して支持を得た。2016年1~3月の国内販売台数は6万3000台と、2015年1年間のプリウス販売台数(7万4000台)に迫る勢いだ。

 同じハイブリッド車の「AQUA(アクア)」も根強い人気を誇っている。37km/ℓという高い燃費とコンパクトで手頃な価格もさることながら、アクアという名にちなんで水辺の自然を守る参加型プログラムを展開し、若年層の共感を得ている。2016年2月には、トヨタ史上最速の4年3カ月で1ブランド累計販売台数100万台を突破した。その結果、トヨタのハイブリッド車の世界販売台数は2016年4月に累計900万台を超えた。

 ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)などのエコカーがしのぎを削るなかで、トヨタは2014年12月に燃料電池車「ミライ」を発売した。未来を感じてもらうため、2015年10月の北米発売では映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを活用して宣伝した。東京・台場のクルマのテーマパーク「メガウェブ」でもミライを展示。2016年4~5月に開催されたG7大臣会合と伊勢志摩サミットでは首脳や大臣にも乗車してもらい世界にアピールした。

ホームページでは「環境チャレンジ2050」のアイコンを示し、経営幹部が説明する動画をアップ

 トヨタが評価された2つ目の理由は環境チャレンジ2050を打ち出し、同社の長期ビジョンと未来への姿勢を明確に示したことである。「新車CO2ゼロ」「ライフサイクルCO2ゼロ」「工場CO2ゼロ」「水環境インパクト最小化」「循環型社会・システム構築」「人と自然の共生」という野心的な6つの柱から成る。会社としてどこに向かうのか、社会にはっきり約束したのである。

 対外的な発信方法も仕掛けた。2015年10月に10年ぶりに「トヨタ環境フォーラム」を開催し、内山田竹志会長を筆頭に経営幹部が登壇して、1つのチャレンジを経営幹部が1人ずつ分かりやすくプレゼンした。その動画をホームページの特設サイトにもアップし、チャレンジの1つ1つに見やすいアイコンを作ってステークホルダーの理解を促している。

 そして、COP21期間中の12月9日に4代目プリウスの発売日をぶつけた。翌日から始まったエコプロ展では例年の約3倍の面積を確保して新型プリウスを展示し、チャレンジ2050を来場者に分かりやすく解説、たたみかけるように訴求した。「環境チャレンジ2050とミライ、4代目プリウスの相乗効果で、消費者にも伝わったのではないか」と、トヨタの環境部ブランド企画グループの高澤幸子主任は話す。