【インタビュー】

日本企業はガバナンスが課題

牧野 義之氏[S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 日本オフィス統括責任者]

写真/中島 正之

 当社は毎日100万本超の指数を計算しているが、最近はESGの新たな指数を求める声も増えている。「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」の他に、「S&P/TOPIX150カーボン・エフィシェント指数」というCO2排出量を基に銘柄の構成比率を調整した指数も作っている。最近、日本銀行の要望を受け、設備・人材投資にESGスコアの一部を活用した指数も開発した。指数を活用したESG投資も活発化しており、企業はESGの情報開示を避けて通れないだろう。

 環境ブランド調査の結果を業界別にみたところ、自動車業界はハイブリッド車や燃料電池車などの印象が強くランキングで有利になる。一方、DJSIでは評価が高い金融機関が同調査で劣位なのは気になる。金融商品やペーパーレス、店舗の電子化などが伝わっていないのだろう。

 DJSIでは商社も評価が高い。例えば三菱商事はメガソーラーや風力発電の専任チームを設けて環境に熱心だが、環境ブランド調査では193位にとどまる。商社は石化ビジネスのイメージが強いからだろうか。

 会計不祥事の東芝や、排ガス不正の独フォルクスワーゲンはDJSIの構成銘柄から外した。しかし環境ブランド調査では東芝は16位と強い。ガバナンスに問題があっても、家電や重電の環境ブランドイメージが強く、トップブランドのアドバンテージは残る。その点は投資家による企業価値の評価とは異なる。日本企業は環境では努力してきた。今後の課題はガバナンスの向上だ。(談)