【インタビュー】

ブランド力も「社会」の評価の1つ

鷹羽 美奈子氏[MSCI ヴァイス プレジデント]

写真/中島 正之

 環境ブランド調査は消費者の目線が強いため、自動車や飲料などの企業が上位にきている。これは当然だろう。一方で、消費者になじみの薄い部品メーカーは上位にくるのが難しいようだ。これに対しMSCIでは、環境配慮の機器に納入する部品メーカーの環境面も高く評価している。リスクだけでなく機会もみる。企業価値を毀損していないか、価値を向上させられるかが判断基準になる。

 環境面として、自動車業界なら燃費やクリーンテクノロジーの開発力、排ガス抑制の取り組みをみる。飲料業界なら取水量や水の再生利用などのマテリアルバランスをみる。

 社会面では製品の安全性や労働問題をチェックする。自動車業界はストライキで生産が止まり投資家に打撃を与えやすい。リコールも多い。従業員が多いほど管理も難しく、MSCIでは高得点を取りにくい。

 今悩んでいるのは化石燃料をどうESG評価に取り込むかだ。燃料の石炭を企業が何t保有しているか把握したい。「座礁資産」になりかねないため評価方法を早く確立したい。水も大きなリスクだ。企業がどの地域に工場などのアセット(資産)を所有しているかを調べ、水資源枯渇へのリスクを判断している。

 MSCIは社会面の評価の1項目にインターブランドのTOP100ランキングを活用している。ブランド力が高い企業はNGOの批判にさらされやすく、サプライチェーン上の人権配慮により多くの努力が求められる。環境ブランド調査の結果も興味深く見ている。(談)