トップ自ら全国の消費者と対話

 異物混入など食の安全を揺るがす事件が頻発したこの1年、食品の環境配慮や情報開示を積極的に進めて支持を得たのがモスフードサービスである。2013年から15年にかけて51位→32位→25位と上昇した。

 同社は以前からすべての商品の食材の原産地をホームページ上で公開してきた。最近の事件を受け、すかさず、「最終加工国の情報も追加して情報開示を強化した」とCSR推進室の松田由美子・社会環境グループリーダーは説明する。

 同社は国産の生野菜だけを使用している。全国の3000軒の農家と契約。農家と共同出資して農業生産法人も6カ所設立した。特別栽培農作物を栽培し、いつどんな農薬を使用したかなど履歴を細かく残している。素材へのこだわりは店舗のトレーマットで説明している。

 食の安全を守るために、「食品安全マネジメントシステムの国際標準規格ISO22000を取得してチェーン店を厳しく管理している」と松田リーダーは胸を張る。

 もう1つ同社が力を入れてきたのが直接対話である。櫻田厚・代表取締役会長兼社長が、消費者と対話するタウンミーティング、農家と対話する畑ミーティング、社員と対話するランチミーティングを定期的に開催してきた。タウンミーティングは2011年から月1度のペースで実施。全都道府県を回ることを目標に既に42回開催し、延べ2000人余りが参加した。参加者は230万人いるウェブ会員から募集する。食の安全から店舗やメニューのことまですべての質問にトップの櫻田氏が答える。

モスフードサービスは、櫻田厚・代表取締役会長兼社長が月に1度のペースで消費者と対話するタウンミーティングを既に42回開催した。店舗のトレーマットでは国産生野菜しか使用していないことを伝える。ホームページではすべての商品の原料の産地を開示し、消費者に安心や安全を伝えている

 「CMなど一方的な発信に頼らず、きちんと対話して消費者の反応を知りたいと、トップの提案で始まった」と松田リーダーは語る。ステークホルダーミーティングをトップの音頭で実施してきたわけである。「消費者や地域住民、NPOなどとの連携や協力」で4位の高評価を得たのは、この辺りに理由があるようだ。

 モスは創業時から、作り置きをしないことや、紙コップではなくマグカップを使用することを方針としてきた。おいしさを保つための方策だったが、廃棄物削減の取り組みとしても評価されている。「廃棄物削減の努力」では6位に入った。

 櫻田氏はこうした社の取り組みをタウンミーティングで語る伝道師の役割も果たしてきた。「情報を開示して話を聞いてくれるモスだから悪いことはしない」と考える消費者が増え、ブランディングに結び付いた。