石油会社が大規模風力発電所

 石油業界は環境配慮のイメージから遠いにもかかわらず、唯一トップ10入りしたのがコスモ石油である。従来からの環境保全活動に加え、再生可能エネルギー事業に踏み込んだことも一因だとみられる。

 「3.11以来、消費者の電力やエネルギーに対する意識改革が進み、限られた資源の使い方を考え始めた。『ココロも満タンに』というCMが分かりやすい上、石油会社なのに環境を前面に打ち出しているギャップが新鮮に映るのではないか」と、消費者動向に詳しいインフィニティの牛窪恵・代表取締役は指摘する。

 コスモ石油は石油会社では唯一、風力発電事業に乗り出している。2010年にエコ・パワー(東京都品川区)の株式を取得してグループ会社化し、風力発電所を建設してきた。2014年11月に和歌山県広川町で2万kWの風力発電所が初めて稼働し、2015年2月には福島県会津若松市の発電所も運転を始めた。固定価格買い取り制度(FIT)の導入で事業の採算も良くなり、中期経営計画(2013~17年度)の期間中に合計約9万kWの風力発電所を新規建設する。

 太陽光発電も手掛ける。昭和シェル石油や日本政策投資銀行とCSDソーラー合同会社(東京都千代田区)を設立。8カ所で太陽光発電所を建設し、うち1カ所が2014年稼働した。石油を貯蔵する油槽所の遊休地を活用した発電所として話題を集めた。

 再エネの取り組みを2012年度からはテレビCMでも流している。また、若者のテレビ離れを受け、2015年2~3月にはYou Tubeで同じCMを流した。伝える努力が実り、「地球温暖化防止に努めている」で3位、「蓄エネルギー・創エネルギーを進めている」で8位に入った。

 再エネに加え、2001年度から取り組んできた参加型の環境保全活動や「エコカード基金」が、同社のブランディングを支えている。エコカード基金とは、500円を払うことで森作りや里山保全などのプロジェクトに寄付できる仕組み。会員は7万人で、2014年度にはC・W・ニコル氏のアファンの森など14のプロジェクトを支援した。

 人気の秘密は、わずか500円で自分も参加できるという身近感にある。プロジェクトの進捗状況を伝える報告書が送られ、プロジェクトを体験できるエコツアーも開催されている。「CSR評価ランキング」で6位に食い込んだのも、「14年間続けて、ボディブローのようにじわじわ効いたからかもしれない」とコーポレートコミュニケーション部広報室の高田裕介氏は話す。

コスモ石油は石油会社では唯一、風力発電事業に進出。2014年、和歌山県広川町で2万kWの発電所が稼働した。国内外の環境保全活動に寄付し、自らもエコツアーに参加できる500円の「エコカード」も根強い人気を誇る。こうした取り組みをテレビCMやYou Tubeで伝え、消費者の心に印象付けた

 コーポレート・ガバナンスコードが2015年6月に導入され、企業には透明性や情報開示、対話が一層求められるようになった。社会もそれに取り組む企業を高く評価していることを、2015年の環境ブランド調査の結果は物語っている。