【インタビュー】

人材を育てる会社が評価される 若者には共感を与える商品を

牛窪 恵氏[インフィニティ 代表取締役]

写真/北山 宏一

 人を育て活用することが、企業が評価されるポイントになってきたように思う。ホンダが2015年6位に上がったのは、2015年2月に発売した高級車レジェンドのハイブリッドカーの影響が大きいだろう。同時に、世界6地域の統括責任者が環境会議議長を兼務、エコ戦略を担うという世界規模での人材活用も評価されたのではないか。サントリーは2014年からグループ会社の社員約6000人を対象に「天然水の森」での森林整備研修を行っている。アサヒビールは高校生を対象に実践型の環境教育「若武者育成塾」を実施してきた。

 人づくりは社会の関心が高い上、特に若い世代は環境教育を受けてきたことから、エコ分野に企業が人材をどう活用しているかをよく見ている。企業にとっては社員も顧客の1人だ。社員がSNSで「こういう活動を行った」とつぶやくこともある。社員を参加させて意識を変えることで会社を変えていくことが重要な時代になってきた。

 現在18~27歳の「ゆとり世代」は企業の環境配慮やCSR、CSVを当たり前だと思っている。社会の格差も痛感していて、世界で苦しんでいる人たちに共感しシェアする。「自分でやれるところから変えていかなければ」と考える良い子が多い。

就活は環境を打ち出す企業に

 彼らにとってフェアトレード商品は身近だ。また、コーズリレーテッドマーケティング型のボルヴィック「1ℓ for 10ℓ」活動や、ユニクロが進める服のリサイクル活動への関心は高い。彼らは目に見える形で環境や社会に役立っているという実感が得られる商品を持続可能だと評価する。3年前に東京大学の赤門前でエコ意識の調査をした際、9割以上が「ホームページで社会貢献や環境配慮をうたわない企業の就職試験は受けない」と答えた。

 今回の環境ブランド調査の結果は、学生だけランキングが大きく異なるのが気になる。就活時のメッセージで企業イメージが変わる部分もあるので、分析すると興味深いだろう。

 食品廃棄物やレジ袋削減を進めるコンビニエンスストアやスーパー、リフォームや資材の再利用を進める住宅メーカーはもっと順位が上がってよい。業界として一貫して環境を打ち出せていないのは惜しい。(談)