泉谷 直木 氏(写真:中島 正之)

 中期経営計画が始まった2013年頃の環境経営は「環境」が中心だったが、この2年で世の中の流れは「環境・社会・ガバナンス(ESG)」をどうするかに変わった。私たちのグループでも方向性を見直して取り組んだ結果、ESGの基盤ができてきた。

 「環境」ではCDP気候変動で開示もパフォーマンスもA評価を得るところまできたし、2015年に初めて発表されたCDP水もA評価を得た。「社会」では在宅勤務など社員の働き方を広げ、人権問題にも取り組んできた。「ガバナンス」では2015年に統合報告書を初めて作成、財務的価値と社会的価値を統合した経営スタイルができた。2016年はグループ全体でESGを実現できるようさらにレベルを上げたい。

 統合報告書は、私が作るよう直接指示を出した。その際担当部署に「チームを作れ」と要望した。統合報告書は機関投資家との対話の材料になるが、作成段階でさまざまな部署の社員が集まって作ることで皆が企業価値を考え、価値向上の求心力になると考えた。効果は出ている。

 当グループは東京証券取引所のESG銘柄に選定されている。CSRの活動テーマとして「食と健康」「環境」「人と社会」を定めている。2020年までに実現する環境ビジョンとして、製造工程での環境負荷低減や環境配慮商品の提供を掲げている。2016年はこの取り組みを一層進め、企業価値の向上に努めたい。

社会課題の解決に取り組む

 環境や社会問題の解決に向けた取り組みも進める。テーマはいくつかある。容器のペットボトルは、原料の使用原単位の削減もあれば、つぶせて捨てやすくすることも大事。本体とキャップとラベルが分かれているのを一体化して分別の手間を解消したり、物流で同業他社と共同配送の仕組みをつくることも考えていかねばならない。サプライチェーン全体を見て取り組むことが大切だ。

 2015年にはサプライヤーに求める「サプライヤーCSR行動指針」も制定した。人権、環境、法令順守を柱にしている。持続可能な調達に向け今後どう掘り下げるかが重要だ。

 ESGにはリスクだけでなくチャンスもある。ESGを経営の重要課題として、決意を持って取り組む。