溝内 良輔 氏(写真:中島 正之)

 2017年は温暖化対策の中期削減目標がSBTに承認されたのは大きな一歩だった。FSC(森林管理協議会)認証紙を2020年までに100%にする目標に向け、飲料パックや6缶パックに認証紙を次々採用した。CDP気候変動は4年連続、水は2年連続でAリストに入った。

 生物多様性では、2018年につながる活動で2つの成果が出た。1つは国産ホップだ。岩手県遠野市などで生産し、当社のビールに使用してきた。地域活性化に貢献し、畑の防風林と下草が生物多様性を向上させている。このホップを2014年から全国のクラフトビールメーカーにも使ってもらっている。

 2017年にはクラフトビールと客が出合う「タップマルシェ」を1000飲食店で展開し、複数のクラフトビールを詰めたサーバーを店に提供した。客が各地のクラフトビールと出合う場となり、新しいビール文化の創造を目指している。2018年は5000店に拡大する。クラフトビールは今はビール市場の1%だが、5年後に3%、将来5〜7%を目指す。

 2017年には地域の食材を使った料理とクラフトビールをマッチングさせたイベントも開催した。地元の水と食べ物とビール。土地のものを育成し、楽しめる場を作ることで、長期的に新しいビール市場を築きたい。使い続けることが、ホップ生産と里山の維持にもつながる。

ワインツーリズムを進める

 もう1つは長野県上田市の自社管理ブドウ畑「マリコ・ヴィンヤード」。遊休荒廃地をブドウ畑に再生して草原が復活し、生物多様性が向上した。2018年には塩尻市桔梗ケ原、2019年には上田市にワイナリーを新設し、今後ワインツーリズムも進める。これらは本業で地域課題を解決するCSVに当たり、SDGsに寄与する。

 健康分野では「プラズマ乳酸菌」を使った乳製品イミューズを2017年に発売した。販売拡大を期待するとともに、途上国の乳幼児の健康問題解決にも展開を模索したい。

 ESG説明会で投資家が気にするのは企業の成長だ。その源はCSVだ。ホップやワインの未来の姿を見せることが重要だと考えている。