福本ともみ 氏(写真:中島 正之)

 サントリーは「環境ビジョン2050」への挑戦を掲げて「2020年目標」を設定しており、2017年は目標達成に取り組んだ。

 水源涵養活動である「天然水の森」活動では、工場で汲み上げる地下水の2倍の天然水を生み出す目標を掲げている。2017年の活動面積は9000haを超えた。目標に近づいている。

 環境負荷の低減活動では、2007年比でバリューチェーン全体のCO2排出量を24%、工場の水使用量を35%、原単位で削減することを目指している。CO2削減は、ペットボトルの軽量化や超省エネ自動販売機の導入などを進め、目標を前倒しで達成した。水使用量は29%の削減となった。目標達成に向けて更なる努力が必要だと考えている。

「水理念」で世界をつなぐ

 2020年はもうすぐだ。2018年は新たな2050年ビジョンと、2030年目標を策定する予定である。環境経営を「ギアチェンジ」させる。

 環境に関する世界のステージは大きく変化している。SDGsやパリ協定といった世界的な合意を踏まえ、意欲的な目標を掲げる必要があると感じている。2030年に向けたCO2排出削減目標は、SBTを設定するつもりだ。

 新目標は、海外のグループ企業と一体となって環境活動を進めるためのものでもある。

 国内で培ってきた水のサステナビリティの考え方をグローバルに展開していくための共通理念「水理念」を2017年1月に策定した。森林保全などの活動は、直ちに売り上げや利益に反映されるものではない。ただ、時間はかかったとしても、理念からしっかりと作り上げていく必要がある。

 地理的条件や社会課題は地域ごとに異なるため、水に関する取り組みは地域で異なる。2018年は地域の実情に沿った水の取り組みを推進していく。米国のビームやフランスのオランジーナなどが独自の水源涵養活動を始めており、海外での先行事例も出てきた。優良な事例を世界に広げていく。

 国内では、「天然水の森」活動を通じて、水がどのように育まれているのかを自分の言葉で語れる社員を増やしてきた。世界でもこうした人材を育て、エバンジェリスト(伝道者)を増やしたい。研究者や林業従事者など、地元のパートナーと一体で進めていく。