加藤 茂夫 氏(写真:中島 正之)

 2017年度、新しい経営戦略である第19次中期経営計画が発進した。2017年4月に就任した山下良則社長の下、「再起動」をキーワードに掲げ、成長を確実なものにする。経営戦略に基づいて、5つの重要課題と新たな環境目標を設定した。

 環境分野の重要課題は、「脱炭素社会の実現」と「循環型社会の実現」だ。

 脱炭素社会に向けた温暖化防止の目標は、パリ協定やSDGsといった国際社会の合意と、リコーの経営理念を踏まえて再設定した。2050年にバリューチェーン全体で温室効果ガス排出ゼロを目指す。徹底した省エネと再生可能エネルギーの活用で、事業活動で排出する温室効果ガスをゼロにする。パリ協定が合意されたCOP21で、リコーはオフィシャルパートナーとして参加した。企業として合意を順守する責任があると考えている。

 循環型社会の実現に向けては、製品の回収リサイクルと省資源化を進め、新規投入資源削減量を総投入資源量で割った「省資源化率」を2050年までに93%に高めたい。

再エネ事業に手応え

 2018年度は、これまで取り組んできたことを、企業成長につなげる。

 自社の省エネ製品の提供はもとより、生産プロセスの効率化や、CO2排出係数の低い電力への切り替えなど、これまでリコーが培ってきた省エネや再エネのノウハウ使ってパートナー企業を支援する。

 静岡県御殿場市の環境事業開発センターで開発を進めてきたマイクロ水力発電は導入企業が増え、実践段階に入った。木質バイオマスを活用した熱利用ソリューションも、全国展開する準備を進めている。

 再エネ活用で脱炭素を目指す取り組みは世界的な潮流であり、世界展開のチャンスでもある。

 中国では、赤外線カメラが撮影した映像を解析して太陽光パネルの故障箇所を特定し、最適な修理スケジュールをレポートするサービスをメガソーラー事業者向けに開始した。ドイツの事業者なども興味を示しており、世界展開できる事業として手応えを感じている。

 2017年4月に、再エネ100%調達を目指す国際イニシアチブ「RE100」に参加した。脱炭素の取り組みを緩めることは、世界のサプライチェーンから取り残されることを意味する。リーダーシップを発揮し、パートナー企業と取り組んでいく。