内田 浩幸 氏(写真:北山 宏一)

 2016年から2017年にかけてずいぶん進んだのは地域との連携だろう。現在、三重県や愛媛県、高知県など18の府県や政令指定都市と包括連携協定を結んでいる。環境負荷削減だけでなく、地域に経済効果をもたらし、我々の競争力強化にもつながっている。

 例えば、鉄道やバスで旅客と一緒に荷物を運ぶ「貨客混載」がある。2017年9月から、規制緩和によってタクシーでも荷物を運べるようになった。「ラストワンマイル(顧客宅までの配送)」をタクシーが担ってくれるので配達員不足を解消できる。

 佐川急便は11月から、旭川中央ハイヤー(北海道旭川市)の乗り合いタクシーを活用して宅配便の配達を始めた。乗り合いタクシーは乗車待ちの空き時間を利用して収益を得られ、我々は労働力を補える。旭川市の事例がニュースで広まり、今、色々なところから同様の話が持ちかけられている。

 他に、高齢者に宅配を代行してもらう取り組みもある。自治体にある「シルバー人材センター」に業務を委託して宅配便を届けてもらう。地域にとってみれば、元気な高齢者が働ける生涯現役社会の構築につながる。高齢者にとって収入になるだけでなく、生きがいになるだろう。高齢者の安全を確保する「見守り」の効果も期待できる。

 こうした取り組みは、SDGsへの貢献になる。配達員の負担軽減など我々の競争力強化になるだけでなく、人口減少や少子・高齢化といった地域が抱える課題の解決につながるからだ。

 2017年12月13日に親会社のSGホールディングスが東京証券取引所第一部に新規上場したこともあり、SDGsやESG投資の視点は当然必要になる。ただこれまでもそうした視点で取り組んできた自負はある。

2050年目標を策定

 2017年度(2018年3月期)内には、2050年を目標とする長期環境計画を策定する予定だ。ポイントの1つになるのが、電気トラック。荷物の輸送量は増える傾向にあり、走行時にCO2を排出しない車両を活用しなければ、(パリ協定の目標にあるような)CO2排出量の大幅削減はできないだろう。

 2018年には電気トラックを使った実証実験を始める。鉄道やバス、タクシーといった様々な交通機関との連携による「運び方のハイブリッド化」と両輪で取り組んでいく。