越智 仁 氏(写真:北山 宏一)

 2016年度から新たに2020年度までの5年間を実行期間とする新中期経営計画「APTSIS 20」が始まる。2016年は当社独自の経営手法であるKAITEKI経営にとっても節目の年になる。

 これは資本の効率化を重視する経営(MOE)、イノベーション創出を追求する経営(MOT)、サステナビリティの向上を目指す経営(MOS)の3軸に時間軸を加えて4次元で経営を見ている。

 このなかでMOS指標はサステナビリティへの貢献度合いを測る22の指標それぞれに目標を設定し、年次で進捗評価を行っている。現中経ではすべての指標で目標を達成すると合計点が300点となる設定にしたが、2015年度は260~270点になりそうだ。非財務指標を数値にした経営が実を結んできている。

 こうした取り組みの結果、非財務価値のウエイトが高いダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)での評価点が、20点近く上がった。我々の活動が正しく評価されていると思う。

 APTSIS 20では、10~15年後にどのようなパラダイムシフトが起きるかを想定して、我々のグループと社会にとって重要なものをマトリックスにして並べた。KAITEKI価値向上のために優先して取り組むべき21項目をリストアップした。このなかには気候変動への対応や清浄な水資源確保、ダイバーシティや情報セキュリティ対策の推進などが入っている。これらを見ながら新たに23のMOS指標も決めたので、2016年以降はしっかりと実行しなくてはならない。

グローバル化にも取り組む

 KAITEKI経営のグローバル化にも取り組む。海外のグループ企業やサプライチェーンの方々にも考え方を理解してもらい、その国に合った取り組みをしてもらう必要がある。今後5年間かけて欧米のグループ企業などでKAITEKI経営をマネジメントシステムとして定着させたい。

 我々が最終的に目指すのは、ソリューションを提供する企業になることだ。例えば単に新しい素材を提供するだけでなく、お客様と一緒になって加工技術を話し合い、お客様の要望に沿った解決策を見つけ出していく。KAITEKI経営の目標とソリューションの提供は同じ方向を目指している。