内田 浩幸 氏(写真:中島 正之)

 2016年は館内物流やスマート納品などに一層注力して、事業基盤の強化とCO2など環境負荷の削減の両立を図りたい。館内物流は商業施設の人・物・車を一元管理し、施設内のテナントへの物流を効率化する取り組みだ。スマート納品は、商業施設に搬入する前に物流センターでテナントへの荷物を一時仕分けし、入荷業務の効率化を図っている。

 館内物流は東京スカイツリーでも実施しており、納品車両の予測台数を850台から380台に減らすことができた。こうした取り組みを実施しなかった場合に比べてCO2を23%削減できたと試算している。スマート納品も2015年10月末から、ららぽーと海老名のテナント263店舗を対象に実施している。こちらは、まだCO2の削減量を試算できていないが、納入や待機車両を減らすことができている。

 佐川急便は、CO2排出量の削減目標として前年度比1%削減を掲げている。2016年は古い物流施設の照明のLED化や環境対応車の比率をさらに増やしてこの目標を達成していきたい。

BCP視点で燃料の多様化も

 現在2万5000台の保有車両のうち約3割の7560台が環境対応車である。このうち天然ガストラックは4000台を超える。輸送燃料の多様化は、環境負荷削減と同時にBCP(事業継続計画)の観点からも避けては通れない。

 エコドライブなどで優れた取り組みがあれば社内のイントラネットで紹介し、全国の営業所で横展開を図っている。地道な取り組みだが、継続することが大切だ。

 物流業界は人手不足に悩んでいる。当社も採用に苦労しているが、2011年に「わくわくウイメンズプロジェクト」を立ち上げて女性の活躍を推進している。「女性が事業収入の3割を担う」といった目標を立てている点が特徴ではないだろうか。女性を戦力化し、新しい事業を起こすことを狙っている。

 2013年度からは女性のビジネス創出などに積極的に取り組む事業所を表彰する「わくわくアワード」を実施している。このアワードから女性のための引っ越しサービス「レディースムービング」などの新しいビジネスも生まれている。現在、女性従業員比率は26.5%まで増えた。2016年は女性を中心に多様な人材が働き、活躍できる環境を一層進めていきたい。