山内 千鶴 氏(写真:加藤 康)

 CSR活動は、持続可能な社会を築くために企業が果たす責任であると捉えている。少子高齢化や人口減少、地球温暖化など、社会課題の解決に貢献したいと考えている。

 例えば1992年にはニッセイ緑の財団を設立し、全国187カ所の「ニッセイの森」で131万本を超える植樹を続けてきた。2002年からは育樹へと活動を発展させ、間伐などに取り組んでいる。温暖化防止や自然や生物多様性の保護への貢献が認められ、2015年には「第17回地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞した。ニッセイの森がある山形県鮭川村に職員が赴き、農作業体験や、村の課題や魅力を地域の人と語り合うなどの交流も始めている。

地域のため職員自ら動くように

 2015年は7万人の職員による地域貢献活動を深めることで、1人ひとりの成長の手応えも感じた1年になった。社会の課題に職員が自分なりに向き合い、自ら考え、動く取り組みが、全国で生まれている。

 きっかけは、同年3月作成の「新3カ年経営計画」の下、筒井義信社長を座長として始めた「人材価値向上プロジェクト」。職務に高い使命感と誇りを持つ「人財」の育成を目指している。社会貢献活動は、同プロジェクトの土台になる。

 東京・上野支社の「ライフプラザ」の職員は、外国人観光客への対応体制を整えた。本来は保険商品を案内するお客様窓口だが、道を尋ねる外国人が頻繁に訪れる。そこで職員が自ら台東区役所と連携して英語版観光地図を入手。英会話のフレーズ集を作ったり、折り鶴を折ってもてなしたり、自ら考えて行動している。2020年東京五輪に向けてますます増えるであろう外国人への対応事例として、他の支社にも横展開したい。

 他にも、高齢化する地域ではお客様を訪問する際、近隣の高齢者の様子にも配慮する取り組みを始めたり、東京にある本部では、職員らがAED(自動体外式除細動器)の講習を受講して救命技能認定証を取得したりしている。こうした取り組みを、他の地域でも実践しようという、全国展開も始まった。

 地域や社会の課題は、裏を返せば顧客のニーズでもある。主体的に課題を探し解決策を考え、行動する職員が増えることは、いずれ新たな商品やコンサルティングにもつながる。2016年以降は、全社を挙げて1つの活動に取り組むことにも挑戦したいと考えている。