斎藤 正一(日経BP環境経営フォーラム事務局長)

エコマークの表彰制度などを始め認定商品数を伸ばした。原案者の思いを尊重し環境のシンボルマークを目指す。

宇野 治(うの・おさむ)
1946年東京都生まれ、70年東京大学法学部卒、同年三菱地所入社、九州支店長、東京国際フォーラム取締役などを経て、2009年日本環境協会エコマーク事務局長、2010年から現職

 笑顔を絶やさず、親しみやすい話し方が印象的だ。宇野さんの人間的な魅力がエコマークの認定商品数のアップに貢献したのは間違いないだろう。2009年、日本環境協会のエコマーク事務局長に就任した。今年1月末時点の認定商品数は5563と、就任の前年に比べて1100以上増えた。

 東京大学法学部を卒業後、三菱地所に入社した。入社後は実に様々な仕事を経験している。若い頃は個人住宅の営業を担当し、その後、東京・丸の内のビル営業や首都圏の大規模マンションの開発などを手掛けた。九州支店長時代はショッピングセンター社長を兼務、駐車場会社の社長、東京国際フォーラム取締役などにも就任した。会社員時代について、「満足のいく生活を送ることができた」と振り返る。「不動産業は生活に密着し、“生活創造産業”でもあった」ことが肌に合ったようだ。取材中、何度も社内外の人とのチームワークの大切さを口にした。

 東京都町田市での大規模マンション開発は、思い出深いという。衣料品や生活雑貨などを手がけるサザビー(現サザビーリーグ)にマンションの外部デザインを担当してもらったところ、温かみがある外観となり購入者からも好評だった。生活創造という共通項で両社が結び付き、協力しながら新しいライフスタイルを提案できた。

 日本環境協会に移ってからも、生活に密着した仕事という共通点があるため違和感はないそうだ。エコマーク事務局長就任の翌年からはエコマークアワードという表彰制度を始め、外部への情報発信に力を入れる。毎年、企業や団体の優れた取り組みを表彰し、認定商品数増加の一因になった。

 エコマークは、英語の地球と環境の頭文字「e」を表した人間の手が、地球をやさしく包み込む姿をデザインしている。以前はこのマークの上に「ちきゅうにやさしい」という文字が付けられていたが外した。このマークの原案者が、『やさしくだいてね』という地球からのメッセージを込めて、制作したことを知ったからだ。

 「『やさしくだいてね』の主語が地球であることがポイント。このメッセージを対外的に発信し、エコマークを見ればすべての人が環境に良いとわかるようなシンボルマークにしたい」と語る。

 日本環境協会の「こどもエコクラブ」活動にも力を注ぐ。現在、全国に2000のクラブがあり幼児と小学生を中心に約12万人が参加する。子供たちに環境活動や環境学習のきっかけを作り、その活性化を促す。「パートナー会員」制度を新設し、協賛金を募りやすくした。企業などから支援を受けながら、「やさしくだいてね」という気持ちをもった次世代の育成が目標だ。