顧客以外との共創も深める

――答は見つかりましたか。

青井 そうですね。もやもやしていたものが見えやすくなり、共有できるようになってきたと感じています。実は、共創経営レポートの表向きの読者は投資家ですが、裏のターゲットは社員なんです。特に社員に向けて、それまで一度も使ったことはなかったのですが、いつか使いたいなと思っていたキーワードが「しあわせ」です。「経済成長がままならず、全体的に停滞している中にあっても価値を高めていく。その時に目指すものは何かというと、お客さまのしあわせをつくっていくことだよね。それをステークホルダー、特にお客さまと一緒につくっていくことなんだよね」ということが言いたかったのです。なかなか恥ずかしくて口頭では言えなかったのですが、レポートでは言えました。

――作業を通じて新しく気付いたことはありますか。

青井 物足りなかったのは、お客さまとの共創についてはけっこう紹介できたのですが、目指すのはすべてのステークホルダーとの共創です。株主、取引先、社会との共創が説明しきれていなかったかなと思います。

――2016年版の制作にも参加しているそうですね。物足りなかった部分は改善できそうですか。

青井 そこは意識してやっています。

――社会との共創でいえば、衣料品や靴の下取りなどの「マルイミライ」活動に取り組んでいます。

青井 最初は「循環型ファッション」に力を入れてきたのですが、これからはお客さまのニーズ自体が「モノ」から「コト」に変わっていきます。具体的にいうとアパレル比率は下がっていきます。今後、運営形態が従来の百貨店型から(テナントにフロアを賃貸する)不動産型に変わっていくと、直接関わる当社の社員も減っていきます。循環型ファッションの取り組みは続けていきたいのですが、従来のような頻度や規模ではできなくなっていきます。新たなビジョンとしては、先ほど説明したような、障害の有無などを越えてすべての人に楽しんでもらえる商業施設のフロントランナーでいることです。

写真/尾関 裕士