大幅赤字を機に環境にかじ切る

――そもそも環境経営に大きくかじを切ったきっかけは何だったのですか。

髙下 当社は1997年の消費税増税の影響で99年に大赤字になりました。当時の大久保社長は、積水化学は何で際立っていくのかを真剣に考えたのだろうと思います。その答えが環境で際立つ会社だったのです。「光熱費ゼロハイム」を97年に導入していましたから、その手応えもあったのだと思います。それから、製品開発や技術開発は環境にかじを切りました。フィルム型リチウムイオン電池などもそのころから研究しています。

――赤字になって、事業を選択した結果が環境だったのですね。

髙下 環境貢献製品で成長するという方針は、これからもぶれません。現在、環境貢献製品は100件以上になっています。当社のように社外アドバイザリーボードの意見を聞いて環境貢献製品を認定している企業は珍しいのではないでしょうか。

 2016年度までの環境中期計画では、環境貢献製品の売り上げを全体の5割以上に高める目標を掲げています。先ほど紹介したスマートハウスや合わせガラス用中間膜、SPR工法などに続く次世代のフラッグシップを見つけなければなりません。

 そのため、フィルム型リチウムイオン電池だけでなく、他にも新たな技術開発を進めています。例えば、廃棄物からエタノールを作る技術などは、環境に貢献する究極の技術ではないでしょうか。それをどう事業に結び付けるかが今後の課題です。

写真/鈴木 愛子