聞き手/田中 太郎(日経エコロジー編集長)

風力発電など再生可能エネルギー事業を成長の柱に据える。石油業界の再編が進む中、環境ブランドがますます重要になる。

森川 桂造(もりかわ・けいぞう)
1948年、和歌山県出身。東京外国語大学卒業後、1971年4月大協石油(現コスモエネルギーホールディングス)入社。94年コスモオイルインターナショナル取締役社長、2000年コスモ石油取締役、2012年コスモ石油代表取締役社長を経て、2015年10月から現職
写真/尾関 裕士

――2016年7月、ソロモン諸島の発展に寄与したとして勲章を授与されました。「コスモ石油エコカード基金」を活用した農業などへの支援が理由だそうですね。

森川 桂造氏(以下、敬称略) 現在14あるエコカード基金のプロジェクトの1つで、基金を設立した2002年度から支援を継続しています。当時、社長を務めていた岡部敬一郎の秘書が青年海外協力隊としてソロモンのフィユ村で活動した経験があり、そのつながりでエコカード基金のプロジェクトになりました。

 当社のエコカード基金は、会員になったお客さまからの年間500円の寄付金とコスモエネルギーグループからの寄付金などを合わせて環境NGOなどを支援しています。その特徴は、お金を出すだけでなく、役員を含めて社員が積極的に参加することです。私自身も2002年当時、エコカード基金の理事長を務めていたので、2003年と2004年に2度にわたってフィユ村に行きました。

 フィユ村では、エコカード基金が協力しているNGOのAPSD(Asia Pacific Sustainable Development)のメンバーと一緒に話を聞き、色々な問題が分かりました。焼き畑農業がとても盛んなのですが、人口が増加しているため、地力が回復するペースが追いつかない。森林を焼くので雨が降ったときに洪水が起こりやすくなってしまう。それに、CO2を排出するという問題もあります。そこで、焼き畑の替わりに米を栽培しようという話になりました。農村開発や環境保全活動を国際的に展開しているNGOのオイスカから専門家を招いて米づくりをスタートさせ、豚の飼育や野菜の栽培などに広げていきました。現在、ツナ缶を製造・輸出する事業も準備を進めています。経済発展を進めるための人材を養成する職業訓練校には、約200人が通っています。

焼き畑農業による森林伐採を防ぐためにソロモン諸島で循環型農業の確立を支援(上2枚)。2002年から14年間にわたる支援活動に対しソロモン諸島から勲章を授与された(左下)。今後の成長の柱として風力発電など再生可能エネルギー事業を据える