ソロモンで痛感した電気の大切さ

ソロモン諸島から授与された勲章(勲功褒章)を手に
写真/尾関 裕士

――思い入れのあるプロジェクトでしょうね。

森川 現地に行ったことは良い思い出です。電気が通っておらず、夜は暗い中で食事をしたのですが、全くおいしくありませんでした。電気の大切さを改めて痛感しました。

――長期間の支援プロジェクトですが、総額どれくらいになるのですか。

森川 2015年度までの累計で約1億7000万円です。この中には、道路整備や議会への自家発電機の寄贈なども含まれています。

――エコカードの会員はどれくらいですか。

森川 約6万5000人です。7割が10年以上続けている会員です。

――日経BPの2016年度の環境ブランド調査では、「コスモ石油」が総合ランキング21位に入りました。テーマ別では、「地球温暖化防止に努めている」で5位、「蓄エネルギー・創エネルギーを進めている」で10位です。再生可能エネルギー事業に力を入れていることが評価されているようです。

森川 2010年に荏原製作所さんが環境ビジネスの見直しをした際に、再エネ事業を展開しているエコ・パワーを買収しました。儲かるかどうかよりも、地球温暖化問題に対して規制対応するだけでなく積極的に取り組んでいこうというのが動機でした。それが、2012年に再エネ電力の固定価格買い取り制度(FIT)がスタートした結果、売上高が74億円(2015年度)まで増え、かなり利益が出る事業になっています。太陽光発電はそれほど大きくやっていませんが、風力発電施設は全国22地域に145基あり、合計で18万4000kWの発電容量になっています。業界第3位の規模です。

――2017年度までの中期経営計画で再エネ事業を成長戦略の3つの柱の1つに挙げています。

森川 風力発電は、2017年度末に23万kWにする予定です。新規サイトもありますが、小規模な既存サイトを大きくしながら伸ばしていきたいと考えています。

――国内では風力発電の適地は少なくなっていると聞きますが。

森川 北海道を中心に、その他の地域にもまだたくさんあります。むしろ送電網の問題が大きいですね。

――系統連系の問題さえクリアすればまだ増やせますか。

森川 そうですね。あとは、まだ少し時間はかかると思いますが、洋上風力もしっかり拡大していきたいと考えています。化石エネルギーを輸入に頼っている日本の場合、省エネや再エネ推進の流れは今後も変わらないでしょう。2015年にまとまった政府の「長期エネルギー需給見通し」では2030年度に原子力発電の比率を20~22%程度としていますが、この目標はかなり厳しいと思います。これを代替するのが化石エネルギーではないとなると、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再エネです。現在はFITでの導入量の90%以上が太陽光です。風力はもっと伸ばす余地があります。

――エコカード基金の息の長い活動とともに、再エネ事業をテレビコマーシャルで消費者に訴えていることが環境ブランドの向上につながっているようです。

森川 そうですね。それと合わせて、「ココロも満タンに」のキャッチフレーズと音楽が「環境貢献のコスモ」のイメージを消費者に想起させるのではないでしょうか。

――確かにあのコマーシャルは耳に残りますね。ずいぶん以前から放送されているのですか。

森川 1997年からです。コピーは仲畑貴志さん、音楽は菅野よう子さんにお願いしました。

 石油ビジネスは生活必需品を供給する義務を果たす一方で、大気や水質、土壌を汚染させる宿命を持っているという認識の下、できる限り汚さないようにするという意思をいち早く表明しました。同じ97年に設立された「環境を考える経済人の会21」に、石油会社として唯一参加していたのも、環境を語らない企業は生き残れないという意識の表れです。当時は地球温暖化問題が大きくクローズアップされており、会員企業の経営者が集まって早朝勉強会を定期的に開催していました。合宿までしたこともあります。