ガソリン販売以外で事業展開

――成長戦略には、再エネ事業の他にカーリース事業と油田開発事業を挙げています。

森川 ガソリン販売が9兆円なのに対し、車両販売や整備、車検、保険などを加えた自動車関連市場は27兆円あります。しかし、石油会社はガソリンスタンドという拠点を抱えているにもかかわらず、その1割も獲得できていません。当社の場合、3000カ所を超えるガソリンスタンドに1日50万台のクルマが来店しているのに、それをみすみす見逃していたわけです。

 そこで、車検や保険込みのカーリース事業を展開しています。これまでカーリースは、営業車なら成り立つけれど個人は無理だといわれてきたのですが、シニアや女性の反応が良く、契約台数は7月末に3万台を超えました。これからも伸びていくとみています。

――油田開発はいかがですか。

森川 当社は歴史的にアブダビ(アラブ首長国連邦アブダビ首長国)、カタールの2カ国との関係が深いのです。グループには、アブダビ石油、カタール石油開発、合同石油開発の3社があります。中でも中心的なのがアブダビ石油で、40年以上採掘を続けています。今3つの油田の利権を持っていて、いずれも中小規模ですが、ガスや水を圧入しながら底までさらうようにたくさん採るというやり方をしています。その実績が認められて、ヘール油田という新しい油田の利権を獲得することができました。2017年の前半に生産を開始する予定ですが、既存の3つの油田を合わせたぐらいの採掘量になります。採掘した石油を販売してその売り上げからロイヤルティーや税金などを産油国に支払うコンセッションという契約なので安定的に利益を上げられます。原油価格が1バレル当たり40ドルまで下がっても利益を上げられるコスト競争力の高い油田です。

業界再編で環境ブランドがより重要に

――長期的に石油需要が縮小する中で国内では業界再編が進んでいます。

森川 私はマーケット・リーダーができることは良いことだと考えています。シェア50%以上のマーケット・リーダーができて、30%ぐらいのマーケット・チャレンジャーがいる。当社のようなマーケット・フォロワーがすべきことは、サイズばかりを追わずに、与えられたビジネス環境の中で柔軟に事業を展開しながら、一定の利益を得ていくことです。当社は経営統合しませんが、結果としてこれからもコスモブランドでやっていけるのは良いことだと捉えています。

――ますます環境ブランドが重要になりますね。

森川 そうです。エコカード基金の活動も拡大こそすれ、縮小はできないと考えています。

写真/尾関 裕士