モデルチェンジの少ない自動車が好まれる

写真/佐藤 久

――自動車部品などは中古部品の市場ができ上がっていますよね。日本の中古自動車はアフリカなどで出回っていますから、中古部品の再利用も盛んに行われています。

原田 自動車はCEを先取りする形になっていますね。インターネットが普及して製品間の比較も簡単にできるので、中古部品が使いやすくなっています。さらに、その部品を使って壊れたときにどう面倒が見られるかといったことが商品価値になってきています。例えばモデルチェンジを頻繁に行うメーカーの自動車は、あまり評判が良くないようです。どんどん部品が変わってしまうので。逆にモデルがあまり変わらない自動車は、中古部品業界にしてみれば高く売れる。そういう「循環しやすさ」に価値が生じ、市場が広がるということが一部で起きています。

――CEパッケージというのは、そうした市場作りを政策的にやっていこうという試みなんですか。

原田 今は自動車以外では「循環しやすさ」に価値を生むのはなかなか難しいと思います。EUはどこに活路を見いだしているんだろうかと思って、2015年に参加した国際会議で注目していたんです。すると、サーキュラー・エコノミー型のビジネスに対していかに投資を呼び込むのかをすごく重視しているんですね。石油メジャーがかなり興味を持っていると感じました。地球温暖化対策によって石油は使われない方向にあるので、余力があるうちに新しい投資先を探そうと考えているのでしょう。EUはその辺を意識した上でパッケージを打ち出したんだと思いますね。

――すでに投資は始まっているのですか。

原田 まだだと思います。だから必死になって国際会議などを開催して投資家を呼び、どういうビジネスが投資の対象になるかをディスカッションするということをやっているわけですね。

■ サーキュラー・エコノミーの概念図
欧州のサーキュラー・エコノミーは、リサイクルが中心ではなく、リユース(再使用)やリ・フィル(詰め替え)、リ・マニュファクチュア(再製造)、ビルド・トゥ・ラスト(しっかりしたものを作る)など多様な資源循環による新ビジネスの創出を想定している(ACHIEVING A CIRULAR ECONOMYを基に原田氏作成)