事業採算に合わせて技術開発

――そもそも社名の由来は何ですか。

岩元 髙尾(正樹氏・専務)とつくった会社なので、2人で話し合って決めました。まずは大きく見せたいということで「日本」をつけました。「環境」は僕が入れたかった。そして、仕組みを考えるとか、未来を創ることが大事なので、プランニング=「設計」にしたのです。

――会社設立前、繊維商社に勤めていた時に、繊維をリサイクルしたいという思いを固めたそうですね。

岩元 リサイクルされずに廃棄される使用済み繊維製品が年間200万tあるといわれています。当時、繊維リサイクルを検討する国の会議に私も参加したことがありますが、実現は難しいと感じました。リサイクルする技術がなかったのです。

 そこで、当社では衣類の二大構成要素であるコットンとポリエステルをリサイクルする技術の研究開発をスタートさせました。まずコットンからエタノールをつくる技術が実現しました。ポリエステルを衣料の原料として再生する技術は最近ようやくできました。バージンのポリエステルと同じ価格で提供します。

 研究開発で重要なのは、ただリサイクルするだけではなく、事業として採算に合うかどうかです。例えば、コットンのリサイクルでは、繊維を分解する酵素を見つけるだけでなく、コストがかかる酵素をなるべく使わずにリサイクルする技術を確立しました。

仕組みを動かす共通の目標が大事

――その技術は、研究者だった髙尾専務のひらめきで開発したのですか。

岩元 髙尾がいたのと、彼をサポートする技術者が国内外にいたことです。

――そんなにすごいネットワークがあるのですか。

岩元 だんだん広がってきました。世界で初めての技術ができたと発表すると、世界中からいろいろなオファーがくるのです。その中から本当に役立つ技術を目利きして活用したり、課題解決のためのパートナーとして共同開発したりします。当社のような小さな会社は、1社で何もかもできません。うちがやるべきところはやるけれども、できないところはお願いする。そういう仕組みで動いています。

――そうすると多様な主体をマネジメントすることが重要ですね。

岩元 そこが難しくて、大事です。

――秘訣はあるのですか。

岩元 やはり、一番大事なのは共通の大きな目標ですね。(石油などの地下資源ではなく)地上の資源だけで賄える究極の循環型社会を実現させることが、資源のない日本の目標ではないでしょうか。さらに、それを世界で実現できれば、地下資源の奪い合いで起こる戦争はなくなるはずです。「一緒に戦争をなくしませんか」というメッセージは欧米の人たちに伝わります。

――制服リサイクルや携帯電話リサイクルなどの安定した事業もあり、新規事業も順調です。創業から8年間で売上高は10倍に拡大した。「環境はもうからない」なんてウソですね。

岩元 そうですね。社員数も工場を含めると40人ぐらいに増えています。

――海外展開にも着手しています。

岩元 経済産業省とインド政府が進めているDMIC(デリー・ムンバイ産業大動脈構想)プロジェクトで当社のE-waste(廃電気電子機器)のリサイクル事業が許可され、2016年にも正式にスタートします。日本と同じ仕組みでインドのE-wasteを集めて、日本でリサイクルします。回収した資源を市場で売却し、その利益を還元します。

――採算はとれるのですか。

岩元 実は、日本での携帯電話のリサイクルでシェア6割の実績があります。インドから日本に持ってくればリサイクル率が高まるし、とにかく海外の船賃は安い。例えば、東京から福岡まで10tトラックで運ぶのと、その何倍もある40フィートコンテナをインドから日本に送るコストはそう変わらないです。今回のプロジェクトで、海外にネットワークを広げていけば採算に合う事業ができることを証明したいと考えています。

ワクワクしなければ人は動かない

――今回のデロリアンのイベントで得られた成果は何ですか。

岩元 エンターテインメントがあれば自然に静脈物流ができてくることに改めて気づきました。良品計画などの回収店舗で「デロリアンをみんなで動かそう」と告知したところ、普段の1年分の衣類が1カ月で集まりました。「地球環境がしんどいよ」「石油がなくなるよ」と言っても、人は頭では納得するけれど、なかなか行動には移しません。「好きだ」「面白い」「未来を感じる」というところに人は集まります。ワクワクする目標があり、みんなが共感してリサイクルを進める仕組みが大事です。この考え方は世界で通用すると思います。今回のイベントで国内外からのオファーが増えました。デロリアンの何十倍も楽しいイベントを計画中です。

写真/鈴木 愛子