コーヒーの産地が移動

――パッケージの2025年目標は、マクドナルドが新たに打ち出した持続可能性方針の5本柱の1つですよね。なぜ新しい方針を策定したのですか。

ケニー 2018年1月に、「Scale for Good」という新しい持続可能性の方針を発表しました。世界に3万7000店舗を展開するスケール(規模)を生かして地球規模で持続可能性に取り組むという方針です。

 顧客やサプライヤー、フランチャイズのオーナーなど様々なステークホルダーに聞き取り調査をし、注力する5本柱を決めました。「気候変動対策」「牛肉の持続可能な調達」「パッケージとリサイクル」「家族へのコミットメント」「若者の機会創出」です。この5つは食品業界にも影響を与える領域だと考えています。

 5つの柱のプラットフォームが「Scale for Good」に当たります。マクドナルドは120カ国以上に3万7000店舗を展開し、毎日6900万人が来店します。世界人口の1%が毎日マクドナルドを食べているわけです。大きな機会があるとともに責任もあります。スケールを生かして社会にポジティブな変革を起こすことを我々は狙っています。

■ マクドナルドの新しい持続可能性の方針
マクドナルドは2018年1月に持続可能性の新しい方針を発表した。5つの柱から成る
[クリックすると拡大した画像が開きます]

――このタイミングで新しい方針を出した理由は。パリ協定や非財務情報開示の広がりなどと関連はありますか。

ケニー 世界的にビジネスを強化するため、ちょうど大規模な組織再編を進めていました。その際、持続可能性をより深掘りしようと考え、各市場の情報を集めました。持続可能性がより重要になった理由は2つあります。1つは気候変動がサプライチェーンに与える影響が大きくなったこと、もう1つは消費者からの要望の高まりです。

 1つ目の分かりやすい例がコーヒー。コーヒー栽培は気温に左右され、気候変動の影響を受けやすい。栽培に適した場所の移動が目に見えるようになり、気候変動対策の必要性に気付きました。

 2つ目が、パッケージや廃棄物に対する消費者からの要望が高まったことです。他にも、消費者は家族に高い関心を持っていました。マクドナルドの売り上げの30%はハッピーセットなど家族客からのものです。このため持続可能性の5本柱にパッケージとともに、家族客を支援するコミットメントを入れました。

 新しい方針「Scale for Good」を策定するに当たって、サステナビリティ、サプライチェーン、コミュニケーション、マーケティング、人事、ビジネス戦略などの各チームの代表が集まる組織横断的なチームを2016年半ばに立ち上げました。英国やカナダ、米国、欧州、ラテンアメリカ、アジアのメンバーが、各市場の情報を上げて議論し、つくり上げたものです。