■ 環境ブランド指数ランキング
海洋プラスチック問題が消費者心理を動かす

 2019年の環境ブランド指数ランキングで、サントリーは3年連続で首位になった。2位トヨタ自動車、3位イオンという順位も前年と同じ。サントリーは「省資源」「リサイクル」「生物多様性保全」など5つのプラスイメージで1位になった。容器素材の軽量化や、植物由来原料のペットボトルの導入など3Rに関する取り組みや、水源地の森林を整備するなど「水」に焦点を当てた活動などで高い評価を得た。

プラスチック全廃宣言で躍進

 前年の27位から7位に大きくランクアップしたのがスターバックス コーヒー ジャパンだ。

 原動力となったのは、「有害物質の使用削減」に関するプラスイメージ評価で、前年の166位から2位に急上昇した。昨年米スターバックスは、「2020年末までに全世界でプラスチック製のストローを全廃する」と宣言。世界的に海洋プラスチック問題が声高に叫ばれる中での全廃宣言は、スターバックスのブランドイメージを大いに高めた。

スターバックスが期間限定で販売した「リユーザブルカップ」(上)と「リユーザブルストロー&シリコンバッグ」(下)

 スターバックス コーヒー ジャパン品質保証部 店舗衛生・環境推進チームの普川玲チームマネージャーは、今回の調査結果を受け、「長年、環境社会活動に取り組んできた思いが消費者に伝わり、とてもうれしく思う。プラスチック製ストローは、2020年末よりも前倒しで日本の全店舗で全廃できる見込み」と語る。

 同社が特に力を入れているのは、店舗から大量に出るコーヒー豆かすのリサイクル。現在、国内1434店舗(2019年3月末時点)のうち250店舗ほどが取り組んでいる。関東地方では、豆かすを飼料に再生して乳牛に与え、その乳牛から得られたミルクを店舗で提供する食品リサイクルループを実現した。関西地方では豆かすからたい肥を作り、野菜を育てて店舗に還すループを作っている。

「神戸メリケンパーク店」ではコーヒーの豆かすを再利用した建材を採用。地元・六甲山の間伐材の使用にもこだわった

 「昨年、国内で初めて環境社会活動を統合的に発信するキャンペーンを実施した」と語るのは、同社広報部の酒井恵美子氏だ。「YOU & STARBUCKS It’s bigger than coffee」を掲げ、活動の3つの柱「倫理的な調達」「環境面でのリーダーシップ」「コミュニティへの貢献」を伝える様々なプログラムを展開している。コーヒー豆かすのリサイクルをアピールするため、「牛」をモチーフにしたカップも登場した。

 今年4月、「Reuse & Respect」サステナビリティプロジェクトと銘打ち、使い捨てプラスチック削減キャンペーンを実施した。店舗スタッフが自前のタンブラーを持参し、「タンブラー利用歴5年」などのバッジを身に着けて来店客と会話、「マイタンブラー」を持つきっかけをつくるという趣向だ。同時に、繰り返し洗って使える「リユーザブルカップ」と「リユーザブルストロー&シリコンバッグ」を販売した。

「マイタンブラー」の利用などを呼びかける「Reuse & Respect」サステナビリティプロジェクト(左)。キャンペーン「YOU & STARBUCKS It’s bigger than coffee」では日本人アーティストの太田翔伍氏デザインの特製ペーパーカップを提供(右)

 「それまでCSR(企業の社会的責任)という言葉で捉えていた環境社会活動を、ソーシャルインパクトという言葉で捉え直した。毎日80万人が来店してくださるお客様を巻き込み、当社の持つ影響力をよりよい未来をつくるために使っていこうというポジティブな意識の表れだ。これからも軸をぶらさずに取り組みを続けていく」と、酒井氏は語る。