中小企業にもESG投資を

 同社は、社会課題の解決を指向した事業を強化している。2017年に日本初の「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の仕組みを開発し注目を浴びた。今年1月には、資金使途を社会的な課題解決につながる事業に限定した「SDGsソーシャルローン」を開始すると発表した。

 「ESG投資が日本国内でも盛り上がりを見せているが、現状では大半が株式と債券。中堅・中小企業に裾野を広げるには、株式と債券だけでは不十分で、ローン商品の提供が求められている」と、同行成長産業クラスター第二グループの清水倫部長代理は説明する。

 債券の発行には少なくとも数十億円程度が必要で、中堅・中小企業にとってはハードルが高い。しかし、ローンであれば比較的柔軟に融資枠を設定できる。債券ほど煩雑な手続きも必要ない。ローンでボンドと同じような事業ができるならば利用してみたいとの声が上がったことから、ソーシャルローンの開発に取り組んだという。

 「鍵になるのは社会へのインパクトの見える化と開示方法にある。これまではリスク/リターンが金融機関の評価軸だったが、それに第3の軸としてインパクトを入れるという流れになっている。投資家は同じリターンであれば、社会的なインパクトの強いものを選ぶ動きが確実に出ている」と清水部長代理。

 開発したSDGsソーシャルローンは、国際資本市場協会(ICMA)が公表しているソーシャルボンド原則などに基づいてフレームワークを策定した。インパクト評価については外部評価機関の認定を受けることで客観性を高める仕組みにした。

■ 三井住友銀行が開発した「SDGsソーシャルローン」の仕組み
資料提供:三井住友銀行
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 第1弾として、不動産投資信託(REIT)の投資法人に計55億5000万円を貸し付けた。同法人は調達資金を有料老人ホームや病院の取得などに充てるという。今後も三井住友銀行は、社会的にインパクトのある金融事業に取り組んでいく構えだ。