聞き手/藤田 香

4つの分野で年間最大12兆ドルの市場を生み出すとされるSDGsビジネス。国連開発計画(UNDP)は企業の取り組みの基準を設け認証するプロジェクトを進める。

――国連開発計画(UNDP)はSDGsを普及させるキャンペーンを実施しています。どんな活動ですか。

ペドロ・コンセイソン
国連開発計画(UNDP) 政策・プログラム支援局 戦略政策ユニット長(取材当時)
ポルトガルのリスボン工科大学高等技術研究所で物理学、リスボン工科大学で経済学を学び、米テキサス大学オースティン校で公共政策の博士号取得。2001年にUNDPに入り、開発調査オフィス長、アフリカ局チーフ・エコノミストと戦略諮問ユニット長を経て、2014年10月から戦略政策ユニット長(取材後、人間開発報告室長に異動)(写真:中島正之)

ペドロ・コンセイソン 氏(以下、敬称略) 国連事務総長の命を受けて「SDGsアクションキャンペーン」を進めており、私の部署にキャンペーンのチームがいます。一般市民向けの普及活動が中心です。企業向けには「SDGインパクト」というプロジェクトも進めています。具体的には3つの事業があります。

 1つ目が、SDGsの目標に対して企業の取り組みが実際にインパクトを与えるか、その基準を定め、企業に認証を与えます。これまで企業のSDGsへの取り組みを評価する共通の枠組みはありませんでしたが、基準を作って優れた活動を認証していきます。いわば「SDGsの合格のハンコ」を企業に与えるものです。

 UNDPは途上国支援で企業にアドバイスしてきた経験から、SDGsの取り組みがうまくいくためには何が必要かを知っています。ただ、私たちだけでは基準を作れません。金融機関、企業、コンサルティング会社、ESG評価機関などとチームを組んで基準作りを進めていきます。

 2つ目は、途上国のリスクと機会に関する情報を企業に提供するもの。UNDP は170の国・地域で活動しているので、それぞれの途上国の政策に精通しています。SDGsをビジネスチャンスと捉え、各国でどんな機会があるかというレポートを作ります。

 3つ目が、課題解決に取り組む企業と投資家とをマッチングする事業です。いずれもまだパイロットプロジェクトの段階ですが、この3つの事業で企業のSDGsへの取り組みを後押ししていきます。

■ UNDPが進める企業向けSDGsプロジェクト