G20や五輪で日本に注目

――SDGsによって2030年までに食品・農業、都市、エネルギー・原材料、健康・福祉の4分野で年間最大12兆ドルのビジネス価値が生まれるという研究結果があります。どのようなビジネスが生まれると考えていますか。

コンセイソン 世界には飢えて食料安全保障がない人が8億人います。これらの人々に対して農業で食料を生産するためには、タネ、水、灌漑、道路が必要です。政府だけでは賄えないので、民間の支援が必要であり、ここが企業にとってビジネスチャンスになります。

 途上国では銀行や保険も重要で、ここにも民間の役割があります。企業が途上国に投資してSDGsに貢献し、企業の収益も上がるという良い循環を期待しています。

――UNDPは日本経済団体連合会とSDGs推進に関する覚書を2018年11月に締結しました。今後、日本企業に何を期待していますか。

コンセイソン 経団連との連携は、日本企業のSDGsの取り組みを加速化することを主な目的にし、イノベーションによる新しいビジネスモデルの創造を目指しています。先ほどお話しした通り、日本企業には既に素晴らしい事例が見られます。

■ UNDPと経団連のSDGs推進に関する覚書の概要
■ UNDPと経団連のSDGs推進に関する覚書の概要

 今後数年、世界の目は日本に向けられます。日本は2019年の20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国で、会議ではSDGsに関する議論をすることでしょう。第7回アフリカ開発会議(TICAD7)も開催され、アフリカへの開発援助や投資が加速するでしょう。

 2019年はラグビーのワールドカップ、2020年は東京五輪が開催され、SDGsを知ってもらうよい機会になります。そして2025年の大阪万博はSDGsの達成を一大テーマと掲げており、企業がSDGsの取り組みを加速化させる場になるでしょう。

 UNDPもパートナーとして、日本の政府や企業とSDGsの加速化に取り組んでいきたいです。

国連開発計画(UNDP) 政策・プログラム支援局 戦略政策ユニット長(取材当時) ペドロ・コンセイソン 氏(写真:中島正之)
国連開発計画(UNDP) 政策・プログラム支援局 戦略政策ユニット長(取材当時) ペドロ・コンセイソン 氏(写真:中島正之)