CO2ゼロアルミを競合と開発

――戦略の4つ目に、気候変動対策推進のパートナーシップを挙げています。

ニヴェン 気候変動対策を推進するためにパートナーシップを組むことは特に重要です。リオ・ティントが参加するパートナーシップの例を紹介しましょう。カナダ政府とケベック州政府、そしてアップルの協力で、競合であるアルコアと2018年、エリシスという合弁会社を設立しました。

 エリシスは、これまでアルミ精錬の際に排出していたCO2に代わり酸素を排出する「CO2フリー技術」を開発しています。精錬に使う触媒の陽極から炭素を取り除く技術です。

 アルミ業界は長年、この技術開発に取り組んできましたが、アップルがリオ・ティントとアルコアに同時期にこのCO2フリー技術について問い合わせたことをきっかけに、2社が個別に実施していた研究開発で連携することになりました。協働すれば開発が加速し、市場投入も早まる可能性があります。若い世代のため、より良い社会を築くことに貢献できます。

 エリシスの技術は我々のアルミ精錬所に導入するのに加え、他社へも販売する考えです。世界でアルミ精錬をCO2フリーにできれば世界で大規模なCO2削減に貢献できます。

 リオ・ティント1社で低炭素社会を実現し得るわけではありません。産業界、適切な政策枠組みや制度の設計を担う政府、そして消費者にも役割があります。地域や経済が低炭素型に移行していくため、最善の解決策を追求する必要があります。リオ・ティントはそのためにも、企業や政府、消費者に対し、パートナーシップを通じて同じ目的に向かって行動することが有効であると伝え、理解を得ていく考えです。

英豪リオ・ティント コーポレートリレーションズ グループ・エグゼクティブ シモーン・ニヴェン 氏(写真:中島 正之)