5500社を独自にESG格付け

――欧州のアセットオーナーから、最近どのような要望を受けますか。

ビクフィリップ フランスには「エネルギー転換法」という規制があります。大きな投資家は、投資資産がどの程度エネルギー転換に貢献しているか、気候変動への適応にどれだけ対処しているかを開示することが義務化されました。ですので、インパクトを示せる投資への要望が高まっています。

 一方で、テーマ型のボンドへの関心も高まっています。SDGsボンドや、海の保全に貢献するブルーボンド、水に関するウォーターボンド、森林に関するフォレストボンドなど。ただ、あまり複雑になると資金使途のチェックが難しくなり、コストがかかることを懸念しています。

――アムンディは発行体である企業のESG格付けを独自に行っていますね。ルールを教えてください。

ビクフィリップ 世界5500社の企業に対して36項目から成るESG基準を適用し、セクターごとに重みづけしてA〜Gの7段階で格付けしています。責任投資のファンドではE、F、Gスコアの発行体をポートフォリオから除外し、ポートフォリオの平均ESG格付けはC以上で、かつベンチマークの平均を上回ることが求められます。他の通常のアクティブ運用の場合は、Gの発行体への投資を不可としているだけですが、2021年末までに、ポートフォリオの平均ESG格付けがベンチマークの平均を上回るという新ルールが世界6拠点で100%適用できるように取り組んでいます。

 ただ、債券においては、信用格付けが低い発行体はESG格付けも低い場合があります。信用格付けは低いけれども利回りが高い銘柄に投資しようとする際、ESG格付けを高く保つという新ルールとのバランスが重要になってきます。3カ年計画で掲げたESG方針の100%導入をどう実現していくのか、慎重に進めているところです。

仏アムンディ・アセットマネジメント ユーロ・アグリゲート運用ヘッド イサベル・ビクフィリップ 氏(写真:中島正之)