半澤 智

ESG経営を進める日本企業には、大きな潜在力があると主張する。日本株に特化した長期投資家と企業の対話の様子を紹介する。

 日経ESG経営フォーラムは2019年12月19日、第2回「投資家対話研究会」を開催した。本研究会では、投資家との対話を通じて、企業のESG経営の在り方を探る。

 第2回は、いちごアセットマネジメントのスコット キャロン社長を招き、投資理念、企業のESG活動の捉え方、議決権行使の考え方などを話してもらった。

 講演後は、参加者との対話の時間を設け、活発な意見交換が行われた。ここからは、キャロン氏の講演と、キャロン氏と参加者の対話の様子をダイジェストでお伝えする。

2019年12月19日に開催した第2回「投資家対話研究会」の様子
(写真:中島 正之)

いちごアセットマネジメント 社長 スコット キャロン氏

 いちごアセットマネジメントは、06年創業の日本株に特化した資産運用会社です。19年11月30日時点の運用資産額は、約8280億円です。古くからESG経営に取り組んできた日本は、「ESG大国」です。ESG投資が進む昨今の世界的な流れは、世界の投資家が日本企業の良さを再認識するきっかけになればよいと思っています。

 投資戦略の特徴は、「長期厳選投資」です。企業を詳細に分析し、厳選した企業に対して長期的に投資します。ポートフォリオ占有率は上位5銘柄で50〜70%を占めており、株式の平均保有期間は6年を超えます。厳選投資は命がけです。私たちは、尊敬する企業と末永くお付き合いしたい。投資先の企業が、一時的に業績が悪化したとしても、ブレずに投資を続けたい。目指すのは、永久株主です。

 企業との信頼関係を構築するに当たって、エンゲージメントを重視しています。私たちは、「モノ言う株主」ではなく、「モノ聞く株主」でありたいと思っています。経営陣だけでなく、社外役員、IR担当者、国内外の事業所や工場の担当者など、幅広く声を聞くことで信頼関係を構築し、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を支援します。