競合視点で思いきり失敗

澤田 やはり競合との闘いになってくると、どうしても競争に目を奪われるときもあるんですね。例えばわれわれは今「メリーズ」というおむつを展開しています。日本だけではなく、中国やロシア、アジアなどでも、良いおむつの代表として存在させてもらっているのは非常にありがたいのですが、2000年くらいに思いっきり失敗したことがあります。

 国内で言うとP&Gさんとか、ユニ・チャームさんとか、非常に素晴らしい会社との競争があって、価格がどんどん下がっていった。それで他社にない機能を持たせて値段を一番高く設定したら、まったく売れなかった。モノは悪くないんです。けれども、消費者が本当に欲しているニーズではなかった。当時20数%になっていたシェアが、10%くらいにまで下がりました。

 消費者を横に置いて、他社がやっていることを横目で見ながら、いわゆる企業視点、競合視点でモノづくりをやったときがあったんです。そこから立て直して、今のメリーズがあります。

 われわれは昔から消費者視点とずっと言ってきているんですが、たまにあるんですね。これを出すかというのが。とにかく勝たないといけないということで必死ですから、ちょっと冷静さを失っている部分がある。失敗をして改めて原点に戻ったときに、「やはりここが間違っていたんだ」と振り返らされたことが何回かありました。 (後編に続く)

花王 澤田 道隆代表取締役 社長 執行役員(左)と丸井グループ 青井浩代表取締役社長(右)
(写真:鈴木愛子)